11月初頭にアスリート農家・てらやま家を訪れると、麦まきの真っ最中!埼玉県北部は、米と麦の二毛作が盛んな地域だそうです。二毛作と聞くと大変そうですが、てらやま農園の將之さんは「麦を作った田んぼの方が、いい米がとれるんだよ」。また、てらやま農園のある鴻巣市(こうのす)を流れる荒川は、川幅が日本一ということで知られていて、「川幅うどん」という太いうどんが特産になっています。小麦粉はこの地域に根付いているのです。
Q:てらやま農園でとれた小麦粉のレシピですね。
寺山里美さん(以下、寺山):うちで収穫される麦の品種は、中力粉です。一般的には「うどん粉」と呼ばれているものです。薄力粉よりもグルテンが多く、強力粉よりも少ない、もちもちとした食感が特徴です。今回はこの中力粉を使った豚まんをご紹介します。豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれているので、疲労回復に効果的です。
Q:アスリートには“補食”ですか?
寺山:強くしなやかな身体を作ろうと思ったら、3時のおやつにはお菓子ではなく、“補食”を食べていただきたいですね。
“補食”というのは、朝昼晩3度の食事では補いきれない栄養を摂取する食事のことです。お子さんですと午後3時におやつを食べますよね。大人でもティータイムに小腹がすいて、軽いおやつを口にすることもあると思います。そのタイミングで何を食べるかというのは、アスリートにとって非常に大切です。小腹を満たすだけでなく、自身の体づくりのためにアスリート自身が考えて楽しく美味しく食べて欲しいですね。また、練習後30分以内に“補食”できればベストです。運動後の疲れた体にとって、たんぱく質摂取のゴールデンタイムというわけです。筋肉へのアミノ酸輸送量が3倍高まるといわれているのです。ダメージを受けた筋肉のために練習後の補食には豚肉など、疲労回復を優先にした摂取が望ましいのです。
Q:大豆は畑の肉と呼ばれています。
寺山:わが家の補食の代表が豚まんですが、水の代わりに豆腐を入れて皮をこねます。豆腐は畑の肉と言われている大豆からできていて、植物性たんぱく質が豊富です。
たんぱく質といえば、筋肉、内臓などを作る栄養素として知られています。しかしたんぱく質の働きはそれだけでなく、消化器管や脳神経の機能を調節するホルモンや、代謝に欠かせない酵素を作ったり、免疫抗体の材料になる栄養素でもあるのです。強い身体を作ろうと思うなら、積極的に摂取したいものです。
しかし、たんぱく質を肉などの動物性たんぱく質だけで摂取しようとすると、どうしても高カロリーになってしまいます。そこで豆腐などの植物性たんぱく質を合わせて摂ると、カロリーを抑えることができるのでおススメです。
「豆腐豚まん」の作り方
【材料】(8個分)
<皮>
・中力粉:200g
・絹豆腐:150g
・ドライイースト:6g
・砂糖:30g
・サラダ油:大さじ1/2
・塩:少々
<具>
・豚ひき肉 :50g
・玉ねぎのみじん切り:1/2個
・パン粉:大さじ1
・中華調味料:大さじ1
・醤油:大さじ1
・ゴマ油:大さじ1
・しょうが:お好み
・にんにく:1かけ
・砂糖:大さじ1/2
・片栗粉:大さじ1/2
【作り方】
1./中力粉、砂糖、ドライイーストを混ぜ、塩を入れます。そこに絹豆腐を水切りせずに入れ、粉となじませてから、サラダ油を入れてこねます。
水の代わりなので水切りは不要
2./こねてまとめたら、15分ねかせます。
もちもちの皮の出来上がり
3./皮をねかせている間に、具を作ります。具の材料をすべてボールに入れ、混ぜ合わせます。
8等分に分けておくと後が楽
4./2を8等分にして手のひらで広げ、真ん中は厚みを残したまま丸くしていきます。広げた皮に具を乗せて、包んでいきます。包んだら適当な大きさに切ったクッキングシートの上に置いておきましょう。
閉じる部分に具がつかないように
5./お湯を入れた蒸し器に4を並べ、中火で20分蒸したら出来上がりです。
少し間隔をあけて並べる
ホカホカの豚まんが完成!