豆や麹をいろいろブレンドして自家製味噌を作る!
自家製味噌のよいところは、豆や麹を自由に選べるところ。そんな作る人のワガママを思いっきり取り入れたのが、この「いろいろ豆といろいろ麹の倍麹味噌」。
ここで紹介するのは、豆4種、麹4種の味噌です。しかも麹は豆の倍量で仕込む倍麹味噌という、究極のぜいたくな味噌。
豆は大豆、黒豆、金時豆、ヒヨコ豆を使用していますが、ほかの豆を使ったり、豆の数を減らしてもOK。麹は白米麹、玄米麹、麦麹、豆麹を使いましたが、こちらも数を減らしたり、種類を替えるのはお好みでどうぞ。豆も麹も、入手しやすいものを選ぶとよいでしょう。
基本のレシピは、豆(乾燥)1に対して、麹が倍量の2、塩は0.5です。写真では生麹を使っています。乾燥麹を使う場合は、そのまま使ってもよいですが、あらかじめ麹を戻しておくのがおすすめです。
麹をたっぷり使うことのメリットは、味がおいしくなることと、発酵熟成が早くなること。このレシピで仕込むと、約1か月後からおいしく食べられます。もちろん、3か月、6か月と発酵させると、旨みがどんどん深まります。また、好みの味になったら、冷蔵保存がおすすめです。
この味噌は、とにかく旨みが濃厚で、絶対においしいやつ! できあがった味噌は、まずは味噌汁で味わってください。もちろん、普通の味噌と同じように使えるので、いろいろな味噌料理に使ってみましょう。
【材料(できあがり約1.8キロ分)】
・大豆:100g(加熱後は約2.1倍=210g)
・黒豆:100g(加熱後は約2.1倍=210g)
・金時豆:100g(加熱後は約2.1倍=210g)
・ヒヨコ豆:100g(加熱後は約2.1倍=210g)
・白米麹:200g
・玄米麹:200g
・麦麹:200g
・豆麹:200g
・自然塩:200g
※たくさん作る場合は、豆の合計1に対して、麹の合計2、塩0.5の比率で増やす
4種類の豆と4種類の麹と塩
【作り方】
1./豆4種はよく洗い、たっぷりの水に12時間以上つけて戻す。
豆それぞれは、多めの水で戻す
2./圧力鍋で豆を蒸す。蒸すと煮るより旨みが強くなる。鍋の底から5cmほど新しい水を入れて、底に皿などを入れて底上げし、ザルに豆4種を入れてフタをして加熱。蒸気が上がりはじめたら、軽く蒸気が出るくらいの火加減にして、約20分加圧して火を止め、15分ほど放置する。圧力鍋がないときは、鍋で豆が柔らかくなるまで3~4時間煮る。
加熱時間は鍋によって調節する
3./指でつまむと簡単につぶれるくらいの柔らかさになるまで加熱する。フタを開けるときはヤケドをしないように十分に注意する。
豆を押しつぶして固さを確認
4./豆をザルに上げて水気を切る。蒸し汁はあとで使うのでとっておく。
蒸し汁は捨てずにとっておく
5./豆を加熱している間に麹を準備。豆麹は粒が大きいので、フードプロセッサーで粉砕しておくとよい。フードプロセッサーがない場合は包丁で粗く刻む。
豆麹を粗く刻む
6./麹4種類をボウルなどに入れる。
麹4種を準備する
7./麹4種をよく混ぜる。固まりがある場合はほぐしておく。
麹をよく混ぜる
8./麹に塩を入れる。
麹に塩を加える
9./麹に塩をすりこむように、しっかり混ぜて「塩切り麹」にする。
麹に塩をもみこむように混ぜる
10./加熱した4種類の豆を大きいビニール袋などに入れて、手でまんべんなく押しつぶす。豆が熱いうちはつぶしやすいが、ヤケドに注意。つぶしたら、豆を人肌(36-38度)以下に冷ます。熱いと麹の酵素が働きにくくなる。
豆をしっかりつぶす
11./10のつぶした4種の豆に、9の塩切り麹を加える。
豆と塩切り麹を合わせる
12./つぶした豆と塩切り麹をしっかり混ぜる。味噌だねが固いときは、とっておいた蒸し汁を加えて固さを調節する。固すぎると発酵が遅くなり、ゆるすぎるとカビが生えやすくなるので注意。耳たぶくらいの固さが目安。これで味噌だねが完成。
蒸し汁で固さを調節
13./清潔な容器に味噌だねを詰める。容器はあらかじめアルコールなどでふいて除菌しておく。味噌だねは空気を抜くようにボール状に丸め、容器に詰めていく。
空気を抜いて丸める
14./丸めた味噌だねを容器に入れる。
味噌だねを詰める
15./ギュッと押して空気を抜くようにして、みっちり詰めていく。
1個ずつ入れたら押して空気を抜く
16./全部詰めたら、表面を平らにならす。
表面を平らにする
17./容器の内側についた汚れなどは、アルコールをひたしたキッチンペーパーなどで拭いておく。カビの予防になる。
容器の内側を拭く
18./表面が空気に触れないように、ぴっちりラップで覆う。倍麹味噌は発酵熟成の期間が短いので、重しは乗せなくてOK。重しをしたいときは、ビニール袋などに塩を入れて重しにするとよい。
ラップをぴったりのせる
19./ホコリが入らないようにフタをして、仕込み完了。常温に置いて発酵熟成させる。熟成期間の目安は約1~6か月。好みの味になったら冷蔵保存するとよい。なお、発酵熟成の途中でカビが出る場合もあるが、カビが出ても失敗ではない。カビは取り除けばOK。カビを取り除いたあとは、ラップを新しいものに交換し、容器の内側はアルコールで拭いておくとよい。
フタをして1か月以上発酵熟成させる
20./できあがり。
仕込み後約1か月
仕込み後約6か月
トマトとカボチャのいろいろ豆といろいろ麹の味噌汁(いろいろ豆といろいろ麹の味噌を使ったレシピ)
【材料(2人分)】
・カボチャ:1/8個
・プチトマト:6個
・パセリ:適量
・だし汁:300ml
・いろいろ豆といろいろ麹の味噌:適量
【作り方】
1./カボチャは薄切りにして食べやすい大きさに切る。プチトマトはヘタを取る。
2./鍋にだし汁とカボチャを入れて加熱し、カボチャが柔らかくなったらプチトマトを入れて温め、味噌を溶き入れ、沸騰直前に火を止める。お椀に盛り、パセリのみじん切りを添える。
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。