「京野菜」の賀茂ナス
京都には「京野菜」と呼ばれる特産の伝統野菜があります。「賀茂ナス」もその1つ。直径12~15㎝にもなる大きなボール型で、皮が柔らかく肉質が締まっていて大変おいしいナスですが、手に入らない場合は米ナスで代用してください。
ナスには体の熱を冷まし、血液の循環を良くする効果があります。とろりと舌で押しつぶれるほどに柔らかくすると、酷暑で食欲のない時でも食べられるうれしい料理です。
白みそと赤みそで食べ比べ
油で柔らかくした肉厚のナスの面に、みそを置きます。1つは京都の白みそ、もう1つは赤みそで作り、2つを並べて、目と舌の両方でお楽しみください。
田楽みそは多めに作って冷蔵庫で保管しておくと、豆腐や厚揚げ、コンニャクの田楽などにも使えます。冬場には、湯豆腐のタレとしても、好評です。
【材料】4人前
・賀茂ナスまたは米ナス:2~4個(高さ3cmで輪切りにして1人2切れが基準)
・サラダ油:適宜
・ケシまたは白ゴマ少々
・黒ゴマ少々
- 赤みそタレ
・赤みそ:100g
・みりん:30cc
・砂糖:30g
・水:10cc
- 白みそタレ
・白みそ:100g
・みりん:30cc
・砂糖:20g
・水:10cc
ボール型の賀茂ナス
【作り方】
1./田楽みそを作る。赤みそタレ白みそタレ、それぞれに、材料を小鍋で弱火にかけ、焦げないように練る。砂糖の量は、みその種類や好みで調整する。艶が出てねっとりしてきたら、火を止める。
白みそタレ。赤みそタレも同様に
2./ナスのヘタを取り、高さ3㎝ほどで輪切りにする。ナスの端は、平らになるように切り落とす。
3./ナスを水につけてアクを取る。その後、キッチンペーパーで水気をよくふき取る。
4./フライパンにナスを並べ、油を注いで、中火にかける。油が無くなったら、適宜、足す。
ナスは油を吸って、トロトロになる
5./ナスに軽くコゲ目がついたら、上下を返し、水少々(分量外)を入れ、蓋をして弱火で焼く。水を入れる時に油がはねるので、注意。中まで火が通って柔らかくなればOK。
油ハネに注意
5./ナスの表面に、赤みそタレと、白みそタレを塗る。お好みで赤みそにはケシまたは白ゴマを、白みそには黒ゴマを散らす。
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。