実山椒のピリピリくる辛さは皮の部分にある!
山椒が緑色の実をつけるシーズンです。実山椒は、さわやかな香りとピリピリくる鮮烈な辛さが特長ですが、この辛さの成分は、実の中ではなく周りの皮の部分に存在します。山椒の辛み成分は、サンショオール。辛いだけでなく、舌がしびれる作用があり、消化促進や抗酸化作用があるといわれています。
実山椒は、なるべく若く、熟していない実を選びましょう。実が熟すにつれ、中のタネが黒く固くなっていくためです。
しっかりゆでて、水にさらしてアクを抜く
山椒の実を使うときは、下ごしらえが肝心。まずたっぷりの湯で2~3回、水を代えてゆでます。それでも辛みが強いときは、水にさらしてアク抜きを。この下ごしらえができたら、そのまま冷凍保存が可能。水気をよく切ってから密閉容器やジッパーつき保存袋などに入れ、冷凍しておきましょう。約3か月は保存可能です。
実山椒は、ここで紹介する実山椒味噌のほか、しょうゆ漬けや塩漬け、佃煮、ちりめん山椒など、さまざまに楽しむことができます。旬が短いので、見つけたときに下ごしらえして冷凍したり、加工するのがおすすめです。
実山椒味噌は、そのまま野菜スティックにつけたり、田楽や焼きナス、ふろふき大根などに添えても。また、炒めものに加えると、あっという間にピリッとしびれる旨みたっぷりの味噌味のおかずができあがります。
山椒味噌というと、木の芽味噌が一般的ですが、実山椒を使うほうが、強い香りと辛さを味わうことができます。山椒が好きな方は、ぜひ実山椒で作ってみてください。
【材料(約100g分)】
・山椒の実:20g
・みそ:80g
・みりん:大さじ1/2
・砂糖:大さじ1
山椒の実、みそ、みりん、きび砂糖
【作り方】
1./山椒の実は、たっぷりの湯で2~3回ゆでこぼし、さらに水を代えながら1日ほど水にさらしてアク抜きする。ザルに上げて水を切り、小枝や軸をハサミや手でつまんで取り除き、下ごしらえ完了。
たっぷりの湯でゆでてアクを抜く
2./1の下ごしらえした山椒の実をすり鉢に入れ、滑らかになるまですりつぶす。
中の白っぽいタネの部分もすりつぶす
3./みそと砂糖、みりんを加えて、さらによくすり混ぜる。
調味料を加える
なめらかになるまで混ぜる
4./できあがり。
保存は冷蔵で約1ヵ月
●ナスの実山椒味噌炒め(実山椒味噌を使ったレシピ)
炒めたナスと和えるだけ。ご飯がすすむ濃厚な味の一品です。
【材料(2人分)】
・ナス:2本
・塩:少々
・サラダ油:大さじ2
・実山椒みそ:小さじ1と1/2
・白ごま:適量
【作り方】
1./ナスは乱切りにし、水にさらしてアクを抜く。
2./フライパンにサラダ油と水気をきったナス、塩少々を入れ、焼き目がつくくらいにこんがり炒める。実山椒みそを加え、さっと和える。味を見て、塩(分量外)でととのえる。器に盛り、白ごまをふる。
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。