山椒の若い葉の香りを楽しむ
春から夏にかけて季節がすすむこの時期、山椒が新芽を広げています。木の芽は山椒の葉のこと。香り高い山椒の葉を味噌と一緒に閉じ込めて、香りと色を楽しみましょう。
通常、山椒は生葉のまま使うレシピが多いですが、ここではさっと火を通す方法を紹介します。色が変わる程度に湯通しすることで、アクが抜けることと、何よりグリーンがぐっと鮮やかに。
味噌にしてからも、美しい緑色を楽しむことができます。
米麹で自然な甘さと旨みをプラス!
さらに、米麹を加えて作る、発酵強化バージョンのレシピを紹介。刻んで、なめらかにすった米麹を仕上げに加えることで、味噌だけでなく、麹の旨みと甘さを味わうことができます。
木の芽味噌と合うのは、なんといっても同じ時期に旬を迎えるタケノコ。ほかにも、ご飯に乗せたり、焼いた魚につける、和え衣に加えるなど、ギュッと凝縮された季節の味を楽しみましょう。マヨネーズと和えるのもおすすめです。
【材料】
・木の芽(山椒の葉):5~10g(写真は5g)
・米麹(生):5g ※乾燥麹の場合は戻しておく
〈A〉
・白味噌:大さじ4(60g)
・酒:大さじ1
・みりん:大さじ1
・砂糖(好みで):少々
木の芽味噌の材料
【作り方】
1./山椒の葉は水洗いし、沸騰した湯でさっとゆでる。長時間ゆでる必要はなく、すぐに葉が濃い緑色になるので、すばやく引き上げる。
10秒程度を目安に湯通しする
2./すぐに冷水につけ、色止めし、水けをきる。山椒の軸が硬い場合は、葉だけをつみ、軸は除く。
すぐ冷水に入れて、水気を絞る
3./米麹は粗く刻み、すり鉢でなめらかにすっておく。
細かくしたほうがなじみやすい
4./2の山椒の葉を包丁でざっと刻む。
あらかじめ刻んでおくとよい
5./すり鉢で4をなめらかにする。
繊維がなくなるようにすっていく
6./鍋にAを合わせて火にかけ、焦げないように混ぜる。ふつふつしてきたら5の山椒を加える。
みそだれに木の芽を加える
7./焦げないように混ぜながら、ぽってりする固さに練り上げる。
弱火で好みの固さに練る
8./粗熱がとれたら3の米麹を加えて混ぜたら出来上がり。
全体になじむように混ぜる
保存は冷蔵で約1ヵ月。冷凍で約3ヵ月
●タケノコの木の芽味噌和え(木の芽味噌を使ったレシピ)
だし汁で下味をつけたタケノコと木の芽味噌を和えました。焼きタケノコに添えてもよいでしょう。
【材料(4人分)】
・タケノコ(ゆでたもの):小1本
・木の芽味噌:適宜
・木の芽(あれば):2枚
〈A〉
・だし汁:200ml
・しょうゆ:小さじ2
・みりん:小さじ2
<作り方>
1./鍋にAを合わせ、薄切りにしたタケノコを入れて煮立て、弱めの中火にして4〜5分煮て、味を含ませる。
2./1のタケノコを木の芽味噌で和え、木の芽を飾る。
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。