古米の方がうまくいく?! 失敗しない自作「米麹」【前編】

カテゴリー:発酵食品全般 投稿日:2023.11.23

これから寒仕込み味噌を作る、という方もいらっしゃると思います。せっかく味噌を作るなら、米麹も自作できると一層楽しくなります。
米麹を作るには、ササニシキやあきたこまちなど粘り気が少ない米が向いていると言われています。粘り気があると、米を蒸した時にくっつきあってしまい、麹菌が米1粒ずつに入り込めなくなるからです。そこで今回は、古米を使って作ります。古米は粘り気が新米より少ないので、蒸し上がった時パラっとして、とてもうまく麹菌が入り込みます。この前編は麹菌をまいて培養開始までです。

 

古米を使った米麹の作り方
米麹をうまく作るには、米の水分を究極まで少なくしてパラパラした状態で、かつ芯まできちんと蒸し上げることがポイントになります。それには米を選ぶこと、そして米研ぎ、水切りが重要です。丸2日かかりますが、途中で麹菌が発熱して麹菌が生きているという実感が得られ、出来上がったときの喜びはひとしおです。

 

【材料】(つくりやすい量)
・古米:600g(4合)
・種麹:5g(通常よりかなり多め)
・蒸し布:1~2枚(テトロン製がおすすめ)
・蒸し器(せいろ)
・飯台:1個
・へら:1本
・茶こし:1個(あれば)
・さらし布:1~2枚
・温度計:1つ(あればでOK)
・電気毛布または電気アンカ

 

【作り方】
1./米を研ぐ、というより洗う。ザルに入れて水の中で米をやさしくかき回して白い水を流す。水を代えてかき回すを3~4回繰り返す。この時研ぐのはNG。研ぐと米が割れてデンプンが流れ出し、米がくっつく原因になる。米を洗ったら水に3時間程度浸けておく。

米を浸水させる

 

2./1をザルにあけて4時間程度水切りする。時々方角を変えながらザルを傾けて完全に水を切るようにする。ここが米麹をうまく作るポイントの一つ。また水を切ろうとしてザルを振るのはNG。衝撃を与えると米が割れる原因になる。

ザルを傾けて水を切る

 

3./水が切れたら蒸し器に蒸し布を敷いて2をあけて蒸し始める。蒸し布はテトロンがおすすめ。テトロンは米がくっつきにくい。

テトロンの蒸し布がおすすめ

 

4./蒸し始めて40分経ったら米を1粒手に取ってひねってみる。固いが芯まで蒸し上がっていて、丸く餅のようになれば蒸し上がり。蒸し上がりがパラっとしていたら、半分麹作りは成功したといえるぐらい、蒸しは重要なポイントとなる。
5./4を飯台にあけて米をへらなどでほぐし、できるだけパラパラにする。広げて45℃程度まで熱を下げる。温度計がなければ、触って風呂のお湯の温度程度の感じでちょうど良い。
6./広げた米に麹菌をまんべんなく振る。茶こしなどに麹菌をあけ、上から少しずつ振っては米を混ぜ、また振ってを繰り返す。
7./まんべんなく麹菌を振ることができたら、米をまとめてさらしなどでぎゅっとくるみ、飯台にフタをしてから電気毛布でくるむ。電気アンカであれば飯台の下に置き、毛布などでくるみ、35~40℃に保つようにする。これでまず18~20時間置く。

できるだけコンパクトにまとめる

 

1日目はこれで作業終了です。18~20時間後に次の作業に入るので、6の段階が午後の時間だと次の作業が翌日の朝から午前中になるので、作業時間を調整するとやりやすくなります。
次回は2日目の作業です。

 

(文責・編集部)

 

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この記事を書いた人

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