そら豆で豆板醤を作ろう!
赤くて辛い調味料、豆板醤(トウバンジャン)は、中国の四川省がルーツの発酵調味料です。
完熟した乾燥豆で作るのが基本ですが、日本では、生のそら豆を使って作る方法が一般的。しかし、最近はネットや輸入食品店などを通して、完熟そら豆も入手しやすくなりました。
完熟そら豆は、加熱すると栗のようにこっくり甘くなる、とてもおいしい豆。両方の豆を入手できるようなら、2種類仕込み、味の違いを楽しむのがおすすめです。
辛さを調節できるのは自家製ならでは
市販の豆板醤は、辛すぎて冷蔵庫の片隅で残りがち、という人も多いでしょう。でも、自家製なら、辛さの調節は自由自在。仕込む前に味を見ながら、好みの辛さになるように唐辛子の量を調節してください。
ここで紹介するレシピは、韓国唐辛子と、一味唐辛子をブレンドしています。韓国唐辛子は、辛さがマイルドで、赤い色がよく出る唐辛子。一味唐辛子は、強い辛さですが、韓国唐辛子より色は赤くなりません。
どちらかひとつでもよいですが、好みでブレンドしてみましょう。1種類だけ使うなら、韓国唐辛子がおすすめです。
仕込んで1か月後くらいから使えますが、1年、2年と熟成させると濃厚な味わいに。炒め物に使うときは、焦がさないように油で炒めることで、香りが一層、引き立ちます。
【材料(約150mlビン1本分)】
・そら豆(乾燥):35g(戻して加熱すると約85g)
※生のそら豆の場合、さやつきで約200~250g、皮つきで75g、薄皮をむくと約60g
・韓国唐辛子(粉末):5g
・一味唐辛子:5g
・米麹(生):20g ※乾燥麹の場合は戻しておく
・粗塩:10g
乾燥そら豆を使う材料
生のそら豆を使う材料
【作り方】
1./乾燥そら豆は、8時間以上、水につけて戻しておく。
たっぷりの水につけて戻す
2./米麹は粗く刻む。
包丁で刻んでおく
3./乾燥豆をやわらかくなるまでゆでるか蒸す。ここでは圧力鍋で蒸している。加圧20分、放置20分が目安。
蒸すときは十分水を入れる
蒸しあがり
4./生のそら豆は、やわらかくなるまでゆでる。
手でつぶしやすい固さにゆでる
5./乾燥豆も、生の豆も、薄皮ははずしておく。
薄皮をむく
6./ビニール袋に5を入れ、まんべんなくつぶす。
手で押してつぶす
7./2の麹と塩を合わせ、よく混ぜて「塩切り麹」にする。
麹と塩をよく混ぜる
8./6のつぶした豆に、7の麹、唐辛子を入れ、全体をよく混ぜ合わせる。
生のそら豆の場合
乾燥そら豆の場合
9./耳たぶくらいの固さになるように、蒸し汁やゆで汁を加えて調節する。ないときは水でもよい。
固さを水分で調節する
10./これで豆板醤だねが完成。
しっかり混ぜておく
11./ビンなどの容器に、空気が入らないようにみっちり詰める。
スプーンなどで押しながら詰める
12./全部詰めたら、上に落としラップをして空気と触れないようにして、ふたを閉めて仕込み完了。1か月以上、熟成させる。保存は常温で1〜3年。
表面をラップで覆う
13./右から、仕込みから1年後、2年後、3年後の豆板醤。
熟成がすすむにつれて色が濃くなる
●ゆで鶏とキュウリの豆板醤和え
豆板醤を少量使うだけで、料理がピリ辛味に変身! 炒め物に、和え物に、ドレッシングやたれに、どんどん使ってみましょう。
【材料(4人分)】
・鶏むね肉:1枚
・しょうが:ひとかけ
・長ねぎの青い部分:10cm
・鶏がらスープの素:小さじ1
・きゅうり:1本
・スプラウト:適宜
〈A〉
・豆板醤:大さじ1
・しょうゆ:大さじ1/2
・酒:大さじ1
【作り方】
1./鍋に湯(分量外)を沸騰させ、しょうがの薄切り、長ねぎのぶつ切り、鶏がらスープの素小さじ1、鶏肉を入れ、やわらかくなるまで煮る。
2./きゅうりはめん棒などでたたき、食べやすい大きさに切る。Aのたれの材料を合わせておく。
3./1の鶏肉を食べやすく手で裂き、2のきゅうりとたれで和える。器に盛り、好みでスプラウトを乗せる。
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。