大ぶりの筍が店頭に並ぶ季節になりました。煮物やご飯、炒め物などさまざまな料理に使えるスグレモノ食材ですが、実は同じ孟宗竹の筍でもクロコとシロコ(キイコ)と呼ばれる2種類があり、スーパーでも混在して売られています。この2種類、実は見た目も味も違うことをご存知ですか。
クロコとシロコ、それぞれに合う料理
クロコは皮の色が黒っぽくて芽の色の緑が濃く、形は縦に長くてがっしりしています。一方、シロコ(キイコ)は皮が赤味がかって芽の色が黄緑色に近く、形はずんぐりしてやさしい感じがします。見た目がかなり違うので、見分けがつきます。
色白でずんぐりのシロコ、黒っぽいクロコ
左:シロコ、右:クロコ。シロコは繊維が細い
味ですが、シロコ(キイコ)は肉質が柔らかで、風味も豊かなので、大ぶりに切って薄味の出汁を効かせた煮物や刺身に向いています。クロコはシャキシャキと歯触りが良いので、細切りにして青椒肉絲(チンジャオロース)、薄切りにして筍ご飯などに向いています。厚切りで食べたいならシロコ、細くする、薄くするならクロコのように、作る料理によってクロコかシロコ(キイコ)を選ぶようにしましょう。
さっくりと柔らかいシロコの含ませ煮
シャキシャキのクロコの青椒肉絲
筍の鮮度の見分け方
筍は鮮度が命。まず鮮度の良いものを選ぶようにします。
・切り口の色がみずみずしくて白っぽいもの
・水分を含んでずっしりと重いもの
・付いている泥が乾いていないもの
・根元の赤い粒々が小さくて少ないもの(その方が柔らかい)
筍のアクの抜き方
筍は山菜なので、時間が経つほどアクが強くなります。買ってきたらなるべく早くアクを抜きます。
【アク抜きの材料】
・筍:1本
・米糠:1/2カップ
・鷹の爪:1本(なくても良い)
【アクの抜き方】
1./皮を2~3枚、下からむいて穂先を5~6cmほど斜めに切り落とす。
2./大きめの鍋に筍とたっぷりの水、米糠、赤唐辛子を入れ、沸騰したら筍が浮かないように落としぶたをして、弱火で30分~1時間煮る。
3./ 根元に竹ぐしをさしてみて、すっと通れば火を止める。
4./ゆで汁につけたまま、湯が冷めるまで放置。
5./完全に冷えたら水洗いして皮をむく。
筍は旬が短い野菜です。貴重な生たけのこが味わえる今、美味しく料理して春を満喫しましょう。
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