小豆の香りと甘みにハマる人が続出! 短期熟成「小豆味噌」

カテゴリー:レシピ, 味噌 投稿日:2018.01.16

材料は小豆と麹と塩だけ!

小豆で味噌ができるって、知っていますか? 作り方は大豆で作る普通の味噌と同じで、とても簡単! 材料は小豆と麹と塩だけ。大豆が小豆にかわるほかは、普通の味噌と同じです。

小豆は大豆と同様に日本で古くから栽培されてきた、おなじみの豆。たんぱく質をはじめ、ビタミンや無機質が豊富で、とくに赤い皮には抗酸化作用があるとされるアントシアニンを含みます。

 

豆の倍量の麹で短期熟成!

ここでは、小豆の倍量の麹を使うレシピをご紹介。麹をたくさん使うのには、理由が2つあります。

1つめは、小豆は大豆と比べると、たんぱく質の含有量が2/3ほどと少ないため、麹で旨みを補うため。

2つめは、麹の比率を多くすることで発酵熟成を早め、すぐに食べられるようにするためです。

小豆味噌は、発酵期間が短いほうが、小豆本来の香りと甘みが強いのが特徴。熟成がすすむにつれて、普通の味噌に風味が近づいていきます。短期熟成みそなので、1年中、いつでも仕込めるのもうれしいですね。

 

発酵していく過程の味の変化を楽しんで

小豆味噌は、仕込み後、夏は約2週間、冬は約4週間後からおいしく食べられます。そのまま2ヵ月、3ヵ月、半年と発酵熟成させてもよいでしょう。好みの味になったら冷蔵してゆっくり熟成させます。塩分が少なめのレシピなので、1年程度で食べきりましょう。

発酵熟成の期間が短い、あんこのような小豆味噌を楽しむのもよし、熟成がすすんでこっくり旨みが増した頃に楽しむのもよし。

小豆味噌は、普通の味噌と同様に使えますが、塩分少なめのレシピなので、そのままディップにするのもおすすめ。味噌汁、お雑煮、田楽、味噌炒めなど、いろいろな料理に使ってみましょう。

 

【材料】(できあがり約1kg分)

・小豆(乾燥):250g

・米麹(生):500g

乾燥麹を使う場合は戻しておく

・自然塩:100g

※たくさん作る場合は、大豆:麹:塩=1:2:0.4の比率で増やす

右下から時計回りに小豆、米麹、塩

 

【作り方】

1./小豆はさっと洗う。水につけて戻す必要はない。

水洗いして汚れを落とす

 

2./圧力鍋に新しい水と豆を入れ、フタをして加熱する。蒸気が上がりはじめたら、軽く蒸気が出るくらいの火加減にして、約5~10分加圧して火を止め、10分ほど放置する。圧力鍋がないときは、鍋で豆がやわらかくなるまで1~2時間煮る。

加熱時間は鍋の種類によって調節

 

3./豆の固さの目安は、指でつまむと簡単につぶれるくらい。

豆をつまんで固さを確認

 

4./小豆をザルにあげてゆで汁を切る。ゆで汁はとっておく。

ゆで汁はあとで使うので捨てない

 

5./小豆を煮ている間に、麹の準備をする。麹をボウルなどに入れ、ほぐす。

バラバラにほぐす

 

6./麹に塩を入れて混ぜる。

麹に分量の塩を入れる

 

7./麹に塩をすりこむような気持ちで、麹と塩をよく混ぜ、「塩切り麹」を作る。

麹を塩切りする

 

8./ゆでた小豆を大きいビニール袋などに入れて、手でつぶす。つぶし加減は好みで調節。まんべんなくつぶしたほうが早く熟成するが、粒が残っているくらいでもおいしい。熱いうちがつぶしやすい。つぶしたら、豆を人肌(36~38℃)以下に冷ます。熱いと麹の酵素が働きにくくなくなるのでよく冷ます。

手で押して豆をつぶす

 

9./8のつぶした豆に7の塩切り麹を入れる。

つぶした豆と麹を混ぜる

 

10./全体をまんべんなく、よく混ぜる。

豆と麹をしっかり混ぜる

 

11./みそだねが固いときは、とっておいたゆで汁を加えて固さを調節。固すぎると発酵が遅くなり、ゆるすぎるとカビが生えやすくなるので注意。これでみそダネが完成。

ゆで汁で固さを調節する

 

12./清潔な容器にみそダネを入れていく。容器はあらかじめアルコールをひたしたキッチンペーパーなどでふいておく。みそダネは空気を抜くようにボール状に丸め、容器に詰めていく。

空気を抜いてみっちりつめる

 

13./全部詰めたら、表面を平らにならす。

みそダネを平らにする

 

14./容器の内側についた汚れなどは、アルコールを浸したキッチンペーパーなどで拭いて、きれいにしておく。カビの予防になる。

容器をきれいにする

 

15./表面をぴっちりラップで覆う。熟成期間が短いので重しを乗せなくてもよい。重しを乗せる場合は、ビニール袋に塩を入れ、みその半量から同量の重さの重しをするとよい。

ラップで表面を覆う

 

16./ホコリが入らないようにフタをして、仕込み完了。常温に置き、発酵熟成させる。夏は2週間、冬は4週間後からおいしく食べられる。そのまま常温で発酵熟成させて、好みの味になったら冷蔵保存して1年くらいで食べ切る。発酵熟成の途中で、アルコール臭がしたり、カビが出る場合も。そのときは、カビは取り除き、冷蔵庫や野菜室に移動させて発酵熟成させるとよい。

フタをして発酵熟成させる

 

17./ジッパー付き保存袋に仕込んでもOK。その場合も、空気が入らないようにみっちり詰める。

空気を抜いて詰める

 

18./できあがり。

冬仕込みで熟成1ヵ月後

 

冬仕込みで熟成8ヵ月後

 

●ふろふき大根(小豆みそを使ったレシピ)

 

【材料】(2人分)

・大根:1/4本

・昆布:5cm角1枚

・みそだれ

  小豆みそ:大さじ2

  酒:大さじ1

  みりん:大さじ1

・ユズの皮(好みで):適宜

 

【作り方】

1./大根は2~3センチ厚さに切り、皮を厚めにむく。大根の裏になるほうに1/3程度の深さで、十字に隠し包丁を入れる。そうすることで火の通りが早くなる。鍋にたっぷりの水(分量外)と昆布、大根を入れて強火にかける。沸騰したら弱めの中火にして、やわらかくなるまで15~20分ほど煮る。竹串をさしてみて、すっと通ればOK。

 

2./大根をゆでている間に、みそだれを作る。小豆みそ、酒、みりんを鍋に入れて中火にかけ、煮立ったら弱火にして、混ぜながら、ぽてっとするくらいの濃度に煮詰める。甘いのが好きな人は、味を見て、砂糖(分量外)を加えるとよい。焦げないように注意。

 

3./器に大根を盛り、みそだれをかけ、好みでユズ皮の千切りを添える。

 

撮影:信長江美

文・レシピ:オザワエイコ

手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。

 

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この記事を書いた人

編集部
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