「白たまり」とは、麦麹をメインに使った琥珀色の醤油の一種で、もともと愛知県の特産品です。国内の生産量は醤油全体のわずか1%弱しかないと言われています。この貴重な「白たまり」を以前食マガジンでもご紹介した麦麹だけで簡単に作る方法をご紹介します。麦の糖分で甘さが感じられ、味醂が入っているようなまろやかな味がします。素材の色をきれいに仕上げたい時におススメです。
「白たまり」の作り方
大豆が全く入っていないものはJAS規格で「醤油」と名乗ることができないので、最近では大豆を少し加えて「白たまり醤油」として売られていることが多くなっています。しかし今回は古来の作り方、麦麹だけで作ります。麦麹から手作りする場合は、前日記事を参照してください。「白たまり」は麦麹さえ手に入れば、あとは混ぜて寝かすだけ。ごく簡単です。
【材料】
・麦麹:300g
・水:420ml(麦麹の1.4倍)
・粗塩:180g
・ガラス瓶など(100円ショップで入手可)
【作り方】
1./ガラス瓶などに塩と水を入れ、よく混ぜて溶かす。
2./麦麹を投入し、混ぜてフタをして3カ月ほど常温で寝かせる。塩麹のようにかき回す必要はない。
3./水分が琥珀色になったところでペーパータオルなどで麦麹を濾して出来上がり。
※麦麹はもろみとして漬け物などに使えます。
作り立ては液体が白く濁っている
3ヵ月後。液体が琥珀色に変化
●「白たまり」の刺身醤油
白身の魚の醤油代わりとして使います。ほんのり甘い味が淡白な白身に合う!
ホウボウの刺身に添えて
●サツマイモの「白たまり」煮
今が旬のサツマイモの鮮やかな黄金色を残すために、「白たまり」で煮ます。たまりに入っている麦麹を少し入れると、時々プチっとはじける麹の塩気でイモの甘味が一層引き立ちます。
芋の甘味と麹の塩気がたまらない
(文責・編集部)
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