2種のそら豆で仕込む絶品「豆板醤」。旬の生豆と完熟豆で違いを楽しむ

カテゴリー:発酵食品全般 投稿日:2018.04.29

そら豆で豆板醤を作ろう!

赤くて辛い調味料、豆板醤(トウバンジャン)は、中国の四川省がルーツの発酵調味料です。

完熟した乾燥豆で作るのが基本ですが、日本では、生のそら豆を使って作る方法が一般的。しかし、最近はネットや輸入食品店などを通して、完熟そら豆も入手しやすくなりました。

完熟そら豆は、加熱すると栗のようにこっくり甘くなる、とてもおいしい豆。両方の豆を入手できるようなら、2種類仕込み、味の違いを楽しむのがおすすめです。

 

辛さを調節できるのは自家製ならでは

市販の豆板醤は、辛すぎて冷蔵庫の片隅で残りがち、という人も多いでしょう。でも、自家製なら、辛さの調節は自由自在。仕込む前に味を見ながら、好みの辛さになるように唐辛子の量を調節してください。

ここで紹介するレシピは、韓国唐辛子と、一味唐辛子をブレンドしています。韓国唐辛子は、辛さがマイルドで、赤い色がよく出る唐辛子。一味唐辛子は、強い辛さですが、韓国唐辛子より色は赤くなりません。

どちらかひとつでもよいですが、好みでブレンドしてみましょう。1種類だけ使うなら、韓国唐辛子がおすすめです。

仕込んで1か月後くらいから使えますが、1年、2年と熟成させると濃厚な味わいに。炒め物に使うときは、焦がさないように油で炒めることで、香りが一層、引き立ちます。

 

【材料(約150mlビン1本分)】

・そら豆(乾燥):35g(戻して加熱すると約85g)

※生のそら豆の場合、さやつきで約200~250g、皮つきで75g、薄皮をむくと約60g

・韓国唐辛子(粉末):5g

・一味唐辛子:5g

・米麹(生):20g ※乾燥麹の場合は戻しておく

・粗塩:10g

乾燥そら豆を使う材料

 

生のそら豆を使う材料

 

【作り方】

1./乾燥そら豆は、8時間以上、水につけて戻しておく。

たっぷりの水につけて戻す

 

2./米麹は粗く刻む。

包丁で刻んでおく

 

3./乾燥豆をやわらかくなるまでゆでるか蒸す。ここでは圧力鍋で蒸している。加圧20分、放置20分が目安。

蒸すときは十分水を入れる

 

蒸しあがり

 

4./生のそら豆は、やわらかくなるまでゆでる。

手でつぶしやすい固さにゆでる

 

5./乾燥豆も、生の豆も、薄皮ははずしておく。

薄皮をむく

 

6./ビニール袋に5を入れ、まんべんなくつぶす。

手で押してつぶす

 

7./2の麹と塩を合わせ、よく混ぜて「塩切り麹」にする。

麹と塩をよく混ぜる

 

8./6のつぶした豆に、7の麹、唐辛子を入れ、全体をよく混ぜ合わせる。

生のそら豆の場合

 

乾燥そら豆の場合

 

9./耳たぶくらいの固さになるように、蒸し汁やゆで汁を加えて調節する。ないときは水でもよい。

固さを水分で調節する

 

10./これで豆板醤だねが完成。

しっかり混ぜておく

 

11./ビンなどの容器に、空気が入らないようにみっちり詰める。

スプーンなどで押しながら詰める

 

12./全部詰めたら、上に落としラップをして空気と触れないようにして、ふたを閉めて仕込み完了。1か月以上、熟成させる。保存は常温で1〜3年。

表面をラップで覆う

 

13./右から、仕込みから1年後、2年後、3年後の豆板醤。

熟成がすすむにつれて色が濃くなる

 

●ゆで鶏とキュウリの豆板醤和え

豆板醤を少量使うだけで、料理がピリ辛味に変身! 炒め物に、和え物に、ドレッシングやたれに、どんどん使ってみましょう。

 

【材料(4人分)】

・鶏むね肉:1枚

・しょうが:ひとかけ

・長ねぎの青い部分:10cm

・鶏がらスープの素:小さじ1

・きゅうり:1本

・スプラウト:適宜

〈A〉

・豆板醤:大さじ1

・しょうゆ:大さじ1/2

・酒:大さじ1

 

【作り方】

1./鍋に湯(分量外)を沸騰させ、しょうがの薄切り、長ねぎのぶつ切り、鶏がらスープの素小さじ1、鶏肉を入れ、やわらかくなるまで煮る。

2./きゅうりはめん棒などでたたき、食べやすい大きさに切る。Aのたれの材料を合わせておく。

3./1の鶏肉を食べやすく手で裂き、2のきゅうりとたれで和える。器に盛り、好みでスプラウトを乗せる。

 

撮影:信長江美

文・レシピ:オザワエイコ

手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。

 

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この記事を書いた人

編集部
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