食育をテーマにしたドキュメンタリー映画が評判です。小泉センセイ(東京農大名誉教授・当メディア総合監修)も登場するドキュメンタリー映画『いただきます みそをつくるこどもたち』は、ユニークな食育で知られる高取保育園(福岡市)の取り組みや園児たちの姿を約1年にわたって撮影しました。市民有志の寄付金だけで作られた映画で、監督は映像作家のVIN OOTA(ヴィン・オオタ)さん。「見終わると、子供をぎゅっと抱きしめたくなる」物語です。
映画に登場する高取保育園の園児
もりもり食べている姿が印象的
玄米食や味噌汁を柱とした“食育”
舞台となる高取保育園は、映画『はなちゃんのみそ汁』のモデルとなった安武はなちゃんが通園した保育園です。玄米や納豆、味噌汁を基本とした和食の給食や食育を行っており、全国から視察が絶えないといいます。
高取保育園の給食
例えば、ある1日。園児たちは登園すると、裸足で園庭を駆け、思い切り遊んだあとに、夢中になってごはんを食べます。給食として出されるのは、近隣の農家が育てた無農薬野菜や玄米を使った和食、ひと口目は100回噛んでから。
そこには、開園以来45年にわたって同園の園長を務めた西福江さんの「知育・体育・徳育の根源に食育がある」という理念があるのです。
西福江さん
園児が行う味噌造り
印象深かったのは、味噌造りのシーン。高取保育園では、毎日の給食の味噌汁のためにひと月に約100kgの味噌を使っていますが、何とそのすべてを5歳児クラスの園児たちが仕込んでいるのです。小さな手を使って毎月100kgの味噌を作っているので、楽しくも真剣な作業です。味噌造りのなかで、子どもたちが得ているものは、ぜひ映画を見て確認してみて下さい。
給食の味噌は園児が造る
小泉センセイの語る“和食の力”
ユネスコの無形文化遺産に和食が登録されるなど、日本伝統の食が近年ますます注目されていますが、味噌はその柱とも言えるもの。小泉武夫先生が専門家の立場からわかりやすく解説する、味噌の素晴らしさや日本の風土と麹の秘密、日本人の健康との関係なども必見です。
上映は、全国にて。5月27日(土)に野田味噌商店(愛知県)で行われる「みそづくり」イベントと同時の上映会など、ユニークな上映会も多いので、チェックしてみてください。
●キャスト:西 福江(高取保育園園長)、小泉武夫(東京農大名誉教授)
●ナレーション:石田ゆり子(女優)
●プロデューサー:安武信吾(『はなちゃんのみそ汁』原作者)
●問い合わせメール:i@vinoota.jp(いただきます製作委員会)
〈今後の主な上映スケジュール〉
5/19(金)〜5/21(日) 沖縄県、桜坂劇場
■「沖縄まーさん映画祭」VIN監督トークショー、ほか
5月20日(土)21日(日) 鹿児島、県民交流センター
■上映会
5月27日(土) 愛知県、野田味噌商店
■上映会&VIN監督講演会&みそづくり、ほか
5月27日(土) 東京都、見樹院
■親子上映、お話&相談会、ほか
※上映スケジュールの詳細は「いただきます」公式HP(http://itadakimasu-miso.jp/schedule/)からご確認ください。