通常、本みりんの熟成期間は1年ほどなのが、”黒みりん”は20年以上の長期熟成を経た、究極のみりんだ。
「きっかけは、昔から贔屓にしてもらっていた鰻屋さんから、3~5年経った古いみりんを使いたいという注文でした」と黒みりんを製造販売する1862年創業の老舗酒造「甘強酒造株式会社」代表取締役・山田幹史さんは語る。「さらに長期熟成させるとどうなるのか、試しに10年熟成でつくってみたものが、気がついたら20年経っていました。なめてみると、それはもう従来のみりんを超えたものだったんです」(山田さん)
20年熟成の幻の黒みりん
黒蜜のような味?
黒みりんは、黒蜜のように真っ黒でトロリとしている。長期熟成することによって糖分とアミノ酸が結合すると、メラノイジンという反応により着色していくのだ。醤油や味噌なども同じ反応によって着色している。
こっくりとした甘みがあり、コクがでて深い味わいが生まれる。黒蜜に近い味わいだ。本みりんと同じように、煮物料理などに使うのもいいそうだが、もったいないと思い聞いてみると、「そうなんです。調味料として、みりんと同じ使い方をしてももちろんいいのですが、少しもったいない。じつは黒みりんの風味を楽しめる一番のおすすめは、そのままいただくことなんです」
その他に牛乳と黒みりんを割ったものや、アイスクリームのトッピングにしてもいい。13%ほどのアルコール分が 含まれているので、小さいお子さんがいる場合はあらかじめ煮切ってアルコール分を飛ばしてから使うといいそうだ。黒蜜の替わりにわらび餅や葛切りにかけて食べるのもおすすめ。
黒みりん
600ml:3000円(税抜き)
180ml(2本セット):1852円(税抜き)
http://www.kankyo-shuzo.co.jp/product/kuro20.html
※トップ写真は黒みりん(600ml)です。