【世界の発酵食通信】フランス・アルザス地方の「シュークルート」

カテゴリー:発酵食品全般, 食情報 投稿日:2016.09.25

ドイツとの国境沿いに位置する、アルザス地方の伝統的な発酵食「シュークルート」。

郷土料理として長く厳しい冬を越すために、塩漬けにしたキャベツやタマネギを木樽で発酵させたものが各家庭で食べられてきました。

ドイツのシュークルート「ザワークラウト」と同じようにベーコンやソーセージなどの豚肉加工品を盛りつけるスタイルが一般的ですが、肉だけではなく、魚を盛りつけるスタイルもあるのがシュークルートの特徴です。アルザス地方は内陸で海がないため、ドイツとの国境に流れるライン河などでとれたサーモン、マスなどの川魚や、ムール貝、エビなどが添えられます。

魚のシュークルートは、アルザス地方都市のストラスブールの大聖堂広場にあるルネッサン様式の歴史ある建物(1589年~)にある老舗レストラン「メゾン・カメルゼル」が発祥だとか。地元のアルザス人以外に、観光客にも親しまれているシュークルートが名物のレストランです。

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「メゾン・カメルゼル」のシュークルート

 

ストラスブールでは、スーパーマーケットではもちろん、街のお肉屋さんなどでも必ずシュークルートのセット(ベーコン、ハム、ソーセージとシュークルート)が売られています。近年では、家庭で作られることは少なく、地元の人々はスーパーやお肉屋さんで買うことが多くなりました。

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ストラスブール市街地の肉屋にて

 

シュークルートは、千切りにしたキャベツやタマネギを、塩、キャラウェイ(セリ科の2年草)や唐辛子、ローリエ、黒胡椒、白ワイン、ビネガーに漬けて重石をして3週間ほど発酵させます(作り方はザワークラウトと変わりません)。出来上がったシュークルートは、乳酸発酵によって消化吸収を助け、胃腸にやさしく、便秘や肌荒れなどにも効果的。

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ビタミンも豊富に含み、その上ローカロリーなので、ダイエットにも強い味方の発酵食品なのです。

日本ではザワークラウトとしてドイツ料理の定番ですが、肉の替わりに魚を添えてアルザスならではのシュークルートをぜひ試してみてください!

 

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編集部
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