ラテン系の国を旅すると、必ず出会う半月型のパイ、それがエンパナーダだ。正確にはパイというより生地はタルトに近い。南米の国々ではたいてい道のジューススタンドやカフェ、パン屋のショーケースに様々な具材のエンパナーダが並べられている。
ここはブラジルのエンパナーダカフェ“Las Empanadas”。ショッピングセンターの1階や駅に入っているような小さなカフェで、みんな背の高い椅子に腰かけてぱっと食べていく。
お店Las Empanadas
1個300円程度。少々この店は高い
ショーケースに並ぶエンパナーダはいろいろで、定番は牛か鶏で、牛は玉ねぎ、ゆで卵いり。鶏は、胸肉を玉ねぎやパプリカパウダーと共に炒めた具材が入っている。ほかに、チーズ、パルミット(ヤシの若芽)、えびのムケッカ(「ブラジル北部の魚料理」参照)のエンパナーダなどが一般的。
店によって種類はさまざま
牛ひき肉のエンパナーダ
スペイン、ポルトガル、メキシコ、プエルトリコ、キューバ、コスタリカ、ベネズエラ、ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ペルー、チリ、、、ほぼすべてのラテンの国々にエンパナーダは存在するが、国によって中に入っている具材や外側の生地が違うのが面白い。どの国の人もエンパナーダにはこだわりと愛着をもっていて、自分の国のものが一番一般的で、一番おいしいと信じている。メキシコでは、タコスを食べているうちに、具材がタコスから落ちることにイライラしたメキシコ人が、生地をとじてエンパナーダを生んだという話まであるが、本当かどうかは不明である。
東京でエンパナーダを買うことができる店を紹介しよう。
五反田のブラジル領事館上にある「キョウダイ マーケット」で、牛、鶏のエンパナーダがある。1個246円~。
●キョウダイ マーケット
住所:東京都品川区東五反田1-13-12 COI五反田ビル6F
Tel:03-3280-1035
営業時間:月曜~金曜 9:10~18:00 土・日 10:00~18:00
定休日:祝日及び年末年始
取材・文/yoko