群馬県のみなかみ町にある「たくみの里」では広大な敷地内に点在する民家で、昔ながらの手法そのままの木工、竹細工、和紙、そば作り、豆腐作りなどの様々な手作り体験ができます。
その中でも、地元産のこんにゃく芋から作る“こんにゃく作り”を体験してきました。
のどかな景色が広がる「たくみの里」
海外でも「Shirataki noodle(シラタキ・ヌードル)」「Zenpasta(ゼンパスタ)」という名でダイエット食としても人気のこんにゃくですが、日本の主な生産地は群馬、栃木、茨城などの北関東地区で、特に群馬は生産量の90%を占めています。
こちらが“こんにゃく作り”体験ができる、香りの家。バス停の目の前にあります。
生のこんにゃく芋がこちら。
こんにゃくが作れる芋に育つまで、3年かかるそうです。
5月に種芋を植え、9月過ぎに一度収穫します。冬の間貯蔵し越冬した2年生芋を5月にまた植え付け9月過ぎにまた収穫、これをもう一度繰り返した3年生芋だけがこんにゃくになれるのです。
こんにゃく芋を茹でたもの。
「去年収穫したものを茹でて冷凍しとくんです」とお母さん。
このままでは刺すように痛いアク(シュウ酸カルシウム)があり食べることはできません。
お母さん「食べてもいいけど舌がヒリヒリ、チクチク針が刺さったみたいになるよ」
茹でたこんにゃく芋と3倍の水をミキサーにかけ、ボウルに移し、木の棒でよくかき混ぜます。空気が入り滑らかになってきました。
さらに凝固剤(炭酸ソーダ)2%を水で溶いて入れます。
お母さん「他にも石灰や重曹で作るところもあるんですよ。昔は、はい汁(わらを燃やした灰)を入れてたんです」
さらに混ぜるとこんにゃく独特の弾力と香りがしてきました。
成形し、お湯で30分湯がいた後、30分水で冷やします。
お母さん「一度形を作ると減らすことはできても、くっつけたり増やせないので大きめに取ってくださいね」
スライムを少し硬くしたような不思議な感触。
1時間後、「たくみの里」を散策している間に出来上がり。
たっぷり800gお土産に持って帰れます。
完成です!
スーパーのこんにゃくとはまるで別格の弾力と美味しさにびっくりしました。
今では、こんにゃく芋は保存のため粉末化され、その粉末と海藻を練り合わせて作られた商品がほとんどだそうです。
アクをアクで抜くという方法を考え出し、そのままではとても食べられそうにないこんにゃく芋を、ここまで手間をかけて食べられるようにした昔の人の知恵には感心します。
取材協力:たくみの里 香りの家
公式サイト:http://takuminosato.or.jp/horaku/h_kaori.html