漬物は好きだけど、わざわざ切るのが面倒――。そんな消費者にも気軽に食べてもらえたらと、群馬県の老舗メーカーが一口サイズにカットした漬物を、ジュレタイプのもろみ液と食べきりサイズのカップに入れた新商品を開発して発売しました。そのまま食べてもよし、冷奴などと合わせてもよしと、新たな食べ方の提案に反応も上々だそうです。
群馬県中之条町の吾嬬味噌醤油が売り出した「真田道 六文銭漬」。「茸こんにゃく」「黒蜜らっきょう」「刻みきゅうり」「一口ごぼう」「薄切しょうが」、大根やコンブなどを使った「はりはり漬」の6種類を食べきりサイズのミニカップに収めました。漬け込むもろみ液は開封してもこぼれにくいジュレにしてあります。1セット920円(税別)。
真田道 六文銭漬
同社は昭和初期の創業で、主に味噌や漬物を製造・販売してきました。宮崎宏太朗社長(45)によると、開発のきっかけになったのは、店での親子の会話だったそうです。好きな漬物をお土産に買ってあげるという親に、子は「漬物は好きだけど切るのが面倒だから」と断ったといいます。
「まな板や包丁、お皿がなくても食べられる漬物を」と、昨年から開発に着手。漬物を一口サイズに切り、ミニカップに入れるなどしては、お客やモニターの人々に試してもらって完成させました。弁当のお供やお酒のつまみとしても使いやすくなったうえ、もろみ液をジュレにしたことで、他の野菜とあえて和風サラダにしたり、パスタのソースにしたり、冷奴に載せたりと食べ方にも広がりが出たそうです。商品を使ったレシピ集も作成しました。
宮崎社長は「最初は個食対応で開発を進めましたが、お客様に新たな漬物の食べ方を提案することができたと思います。これからは食べる場面に応じた提案や商品の種類を増やすなどしていきたい」と話しています。
今年の大河ドラマ「真田丸」で注目が高まる真田家の出城が近くにあることから、真田家の家紋の六文銭をモチーフにしたパッケージにしたそうです。
直営店などのほか、インターネットでも販売しています。問い合わせは同社(0279-75-4083)へ。