大正時代のビールを復刻!! 愛知・半田市の「半田赤レンガ建物」で発売

カテゴリー:ニュース, 酒 投稿日:2016.07.15

愛知県半田市でかつてつくられていた大正時代のビールが復活します。当時の成分を忠実に再現した「古き良き時代のクラシックラガー」を、かつてのビール工場で国の登録有形文化財である「半田赤レンガ建物」で味わうことができます。日本のものづくり精神の原点ともいえる工場の保存活動と、ビールの復刻に取り組んだ人々の熱意が実りました。

7月16日から売り出されるのは「復刻大正カブトビール」(330ml、税込み600円)。麦の味わいがしっかりと残る、苦味のきいた昔ながらの味だそうです。

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ジャーマンプレートと

 

「カブトビール」は当時の中埜(なかの)酢店(現ミツカン)などの地元資本によって明治20(1887)年に設立された丸三麦酒が製造していました。「半田赤レンガ建物」は明治31(1898)年に、カブトビールの新工場として建設されたものです。東海地方で最大のシェアを誇りましたが、1933(昭和8)年に大日本麦酒(現在のアサヒビールとサッポロビール)と合併し、戦時中の1943年に「カブトビール」の製造も終了しました。

 

当時の「カブトビール」分析表

復刻のきっかけは、工場の保存活動に取り組む一般社団法人「赤煉瓦(れんが)倶楽部半田」の馬場信雄理事長(68)が2014年の末、知人が所有していた大正期のカブトビールの分析表に出合ったことだそうです。10項目ほどの成分の分析結果のみで、製造方法は記されていませんでしたが、製造を担当する知多麦酒(愛知県南知多町)や研究機関の協力を得て製法を探り、今年になって復刻ビールが完成しました。

馬場さんは、愛知万博のあった2005年には、明治時代のカブトビールを復刻しています。明治時代のビールはアルコール度数が7%でまろやかな味わいなのに対して、大正時代のビールはアルコール度数は5%でしっかりした苦味になっているそうです。瓶のラベルも細かい地紋まで当時のものを再現しました。

赤レンガ建物は工場閉鎖後、倉庫や食品会社の工場として使われた後、20年ほど前、保存か取り壊しかを巡る事態となり、「明治時代の起業家精神を伝える貴重な建物」と危機感を持った馬場さんら市民有志らが保存活動に取り組んできました。2004年に国の登録有形文化財となり、市も観光拠点として活用を決めて耐震改修や周辺整備を行い、昨年7月から常時一般公開が始まりました。

 

大正時代の雰囲気を再現

「復刻大正カブトビール」は、半田赤レンガ建物のオープン1周年の記念として売り出されます。お披露目となる16日から18日までの「カブトビールフェスタ2016」では、大正時代の雰囲気を再現したビアホールで、大正カブトビールの生ビールが、明治時代のカブトビールとともに楽しむことができるそうです。

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半田赤レンガ建物

 

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展示風景

 

宮道利典館長(57)は「明治時代に建てられたこの建物に足を運んでいただいて味わえるビールです。かつての重厚な雰囲気を感じながら、美味しい生ビールを飲んでください」と話しています。問い合わせは0569-24-7031へ。

 

※半田赤レンガ建物:https://handa-akarenga.jp/index.html

 

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この記事を書いた人

編集部
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