食物アレルギーをもつ子どもが年々増えているが、九州大学の中山二郎准教授らは乳幼児の腸内にすむ菌の種類から、食物アレルギーの発症リスクを予測する手法を開発した。
具体的には、生後1年までに便を4回採取して腸内細菌の種類を特定して追跡調査したところ、2歳までに食物アレルギーを発症した15人は、腸内細菌が最大約60種類にとどまったのに対し、発症しなかった33人は総じて多く、最大で約100種類もあったという。
腸内細菌のなかでも乳酸菌の割合が少ないと食物アレルギーを発症することもわかった。食物アレルギーだけでなく、ぜんそくやアトピー性皮膚炎との関係も疑われるという。
「まだ基礎研究の段階ですが、将来的には乳酸菌などを与えて量やバランスを変えることで食物アレルギーの発症や重症化を防げる可能性があります」と中山准教授はのべている。