「塩レモン」とは、レモンを塩漬けして発酵させたもので、発祥の地と言われるモロッコでは一般的な調味料です。肉や魚などの臭みを消すために使われることが多いですが、料理へのアレンジ幅も広い上に減塩効果があり、ビタミンCも豊富なため、“万能調味料”とも言われています。これから夏に向けては熱中症対策ドリンクにもなるので、ぜひ作ってストックしておきましょう。
「塩レモン」の作り方
「塩レモン」はレモンを皮ごと漬け込むために、材料のレモンは国産の無農薬を選びましょう。どうしても手に入らない場合は、皮を剥(む)いて使います。
【材料】
・国産無農薬、ノーワックスのレモン:5個(約750~800g)
・粗塩:75~110g(レモンの10~15%)
※夏場に作る場合は、腐敗を防ぐために塩分の割合をレモンの20%ぐらいに上げた方がよい。
広口の密封ガラスビン:1個(750cc以上の大き目のもの。100円ショップで購入)
【作り方】
1./ガラスビンをよく洗い、熱湯をかけて消毒しておく。
2./レモンをよく洗い、水気を完全にふき取り、ヘタと尻の部分を切り取ってから櫛(くし)形と5mm程度の輪切りの2通りに切る。料理により切り方を変えておいた方が便利。早く発酵を進めて使いたい場合はみじん切りにする。
※国産無農薬レモンが手に入らない場合は、皮を剥(む)き、輪切りにする。
3./ガラスビンに塩とレモンを入れてふたをし、密封する。
4./直射日光の当たらない冷暗所に保存し、発酵させる。1日1回程度ビンにヘラ(木製がよい)を入れて、レモンを押しこんで塩をなじませる。これにより水分が出てくる。ただし、作ってから2、3日経ってもレモンが浸るまで水分が上がらない場合は、濃度10%の塩水かレモンのしぼり汁をレモンが浸るまで注ぎ足す。
※発酵の途中で果汁に気泡が出てくるようであれば、急激な発酵をおさえるために、ビンのふたを開けてガス抜きしてから冷蔵庫で保管する。
5./1ヵ月ほどすると、発酵の効果でとろりとした、さわやかな香りとまろやかな塩味、酸味の液体が出来上がる。調理の際には、液体と果実を一緒に使うとよい。
【塩レモンレシピ】
「塩レモン」は魚や肉と相性が良く、さわやかな香りで臭みを消す効果がある他に、そのままでドレッシング、炒め物の調味料、肉の下味、ソースにと幅広く応用できます。
●塩レモンのさっぱり鶏ハム
パサパサの胸肉が、レモン風味のハムに変身!そのまま輪切りにしておつまみに、ほぐしてサラダや棒棒鶏にも。
【材料】
・鶏胸肉:1枚
・塩レモン:適宜(胸肉全体に行きわたる程度)
・塩レモンの輪切り:1~2切れ
・砂糖:大さじ1/2
・胡椒:少々
・ローリエ、ローズマリーなどのハーブ:お好みで
・保存バッグ
・食品用ラップ
・深めで大きめの鍋
【作り方】
1./胸肉(皮を取るかはお好みで)の横から包丁を入れて2枚に開く(本を開いたような状態)。これに砂糖と胡椒をすりこみ、ハーブと一緒に保存バッグに入れ、塩レモンを全体が浸る程度に注ぎ、冷蔵庫で2晩程度寝かす。
2./バッグから取り出し、肉の開いたところに塩レモンのレモンを包丁で叩いたものをすりこみ、くるくるとのり巻のように丸める。
3./大きく切ったラップで2を包む。キャンディのように両端をくるくるとねじって、余った部分を結び、中の味が外に出ないようにきっちり包む。
ラップの両端をねじる
ラップの余った部分を結ぶ
4./深めで大きめの鍋に湯を沸騰させ、3を投入する。2分程度再沸騰させたら火を止めてふたをし、冷えるまで放置する。胸肉はゆでるとパサパサになってしまうので、この手順を守るのがポイント。
5./完全に冷めたら鍋から取り出してラップを取り、冷蔵庫でさらに冷やす。冷えるとコラーゲンが固まるので切りやすくなる。ハムのように切って盛り付ける。
●塩レモンの熱中症対策ドリンク
水に塩レモンとはちみつ適宜を入れる。ビタミンCと塩が入った熱中症対策ドリンクとして最適。
健康効果、美容効果もある塩レモン
レモンに含まれるクエン酸には、疲労回復、血流改善、美肌効果、シミ予防などの効果があると言われています。また乳酸菌の働きにより整腸作用があるので、便秘解消にも効果的。
(文責・編集部)