
京都郊外の八幡村(現在は八幡市)が発祥といわれる「八幡巻き」。天然ウナギとゴボウの産地だった同地の郷土料理です。
ゴボウをウナギで巻いたもので、京都ではおせちの人気物。冷めてもおいしくいただけます。
今回は蒲焼きウナギを使って、簡単に作れるレシピをご紹介します。
八幡巻きの作り方
ゴボウをウナギで巻く工程が少し難しいかもしれません。爪楊枝はあとで抜けばよいので、ほどけないようにしっかり巻き止めてください。ラップで包むことによって、ゴボウとウナギがしっかりくっつきます。お味もなじみます。
ウナギの代わりにアナゴや牛肉、鶏肉でもおいしく作れますよ。
【材料】(八幡巻き2本分)
・ウナギ:1尾(あまり大ぶりでないほうが扱いやすい)
・ゴボウ:1本(長さ25センチほど)
・出し汁:大さじ8(240ml)
・みりん:大さじ1(30ml)
・しょうゆ:大さじ1(30ml)
・(あれば)ウナギのタレ:1袋
【作り方】
1./ゴボウはよく洗い、皮をこそげ取る。横半分に切り、それぞれを縦4つに切る。計8本できる。
2./ゴボウを折らずに入れられるフライパンか鍋に水(分量外)を入れ、沸騰したら1のゴボウを入れて、柔らかくなるまで10分強ゆでる。指で軽く押してみて(やけどに注意)、柔らかくなっていれば取り出し、水は捨てる。
3./同じフライパンか鍋に、出し汁とみりんとしょうゆ、有ればウナギのタレを入れ、ゴボウを戻し入れて煮る。味がついたら、取り出す。タレは弱火にして、半量ほどになるまで煮詰める。

ゴボウに下味をつける
4./煮詰めている間に、八幡巻きの形を作る。ウナギを縦2つに切る。
5./ゴボウ4本を、まとめた断面がきれいに見えるようにして一つにまとめ、端からウナギの縦半分で巻いていく。ウナギは皮を外側にする。ところどころ、まな板に釘刺すようにして爪楊枝で止めながら進めると、巻きやすい。2本の八幡巻きができる。

爪楊枝で止めながらウナギでゴボウを巻く
6./巻き終えたら、ゴボウのはみ出ている部分を切り落とす。

八幡巻きの形ができる
7./八幡巻きを4のフライパンに入れる。弱火で煮ながら、タレを八幡巻きにかけまわす。

タレをかける
8./タレがなくなってきたら、火を止める。爪楊枝を抜き、熱いうちにラップでしっかり包む。1時間ほど置いておく。

ラップでしっかり包む
9./ラップをはずし、横3つか4つに切る。

京都のおせちには欠かせない一品
福田恭子/発酵食品ソムリエ。薬膳コーディネーター。フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、
国内各地や世界50カ国以上で取材。
四六変形判(厚さ0.9×横13.4×縦19.6cm)
192頁
定価:本体2,000円+税
発行:株式会社IDP出版
ISBN978-4-905130-48-2
◎入手方法
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