お弁当や家庭料理に欠かせない調味料といえばケチャップ。ところで、「みかんケチャップ」を知っていますか?鮮やかな黄金色のケチャップが、いま注目されています!
ケチャップ=トマトケチャップ、ではない!!
「ケチャップ」が必ずしもトマトを原材料とするものとは限らないと知っていましたか?ケチャップのルーツはアジアの魚醤だとされています(諸説あり)。17世紀頃ヨーロッパに伝わると魚介やきのこ類からケチャップの原型ともいえる調味料が作られるようになり、18~19世紀にアメリカでトマトケチャップが作られるようになったのです。日本へはアメリカからケチャップが伝わったために、ケチャップといえばほぼトマトケチャップを指しますが、世界ではマッシュルームケチャップや、桃やマンゴーなどを原料とするフルーツケチャップなどもあります。またインドネシアやマレーシアには、小泉センセイ(当サイト総合監修・東京農業大学名誉教授)が「発酵食品礼賛」(文春新書)で紹介している大豆にクモノスカビの麹「ラギ」で発酵させた伝統的調味料の「ケチャップ」があります。
原材料は和歌山県の有田みかん
みかんケチャップを作っているのは、有田みかんや有田みかんを使ったジュースやジャムなどの加工品を生産している早和果樹園(和歌山県)。秋竹新吾社長がスペイン留学帰りの娘がふるまったパエリヤに、「みかん果汁を使えば、パエリヤのような黄色い焼き飯が作れるのではないか」とひらめいたことから開発されました。2009 年頃から試作をはじめ、2011年から販売を開始。有田といえば、有田川両岸や海岸沿いの山々の斜面に作られたみかん畑で、太陽の光をたっぷり浴びて育てられる有田みかんがよく知られていますが、これに爽やかな甘みの黄金柑(おうごんかん)や酢などを加えて「みかんケチャップ」は作られています。
素材の味を引き立てるマイルドな調味料
みかんケチャップの特徴は、鮮やかなオレンジ色。ところが口にすれば確かにケチャップの味がします。使い方はトマトケチャップと同様、ハンバーグやポークチョップのソースとして、スパゲティやチキンライスの味付けとして使えます。トマトケチャップに比べ、マイルドな旨みに微かな酸味が効いた、優しい味わいなので、素材の味が引き立つのが特徴です。みかんケチャップで調味したおかずは彩りもよくお弁当などにも合うでしょう。