鹿児島を中心に九州や沖縄地方に「かるかん」という郷土菓子があります。やまと芋と上新粉を使って作る、素朴でとても美味しい和菓子です。
江戸幕府の第5代将軍・徳川綱吉の時代に考案されたそうですが、現代の利器・フードプロセッサーと電子レンジを駆使すれば簡単に作れます。
山芋は冬が旬。喉の粘膜を守る成分があるので、風邪が流行るこの時季にぜひ摂り入れたい食品です。甘酒を使って砂糖の量を減らしました。ヘルシーで美味しい銘菓をご賞味あれ。
カルカンの作り方
やまと芋は、手に入れやすい山芋や長芋で代用します。
「くっつかないレンジカップ」は100均ショップで売っています。お手持ちの容器を使う場合は、内側に薄くサラダ油を塗るか、クッキングシートを敷きます。
電子レンジの加熱時間はお使いの物によって調節してください。
電気器具を使わず蒸し器で蒸す伝統的な作り方も記しました。
【材料】
・山芋:(すりおろした正味)100g
・砂糖:55g(15gと40gに分けて使う)
・上新粉:100g
・甘酒:60ml
・卵白:卵1個分
【作り方】
1./皮をむき、水にさらした山芋を、フードプロセッサーにかけて細かく砕く。この段階では、粒々が残ってもかまわない。
2./1に砂糖40gと甘酒を入れ、撹拌スピードを上げて粒の無い生地を作る。
(フードプロセッサーが無い場合、山芋は、すりおろす。砂糖と甘酒をそれぞれ2回に分けて入れ、その都度、泡だて器で十分に混ぜる。)
空気を含ませて混ぜる
3./ボウルに上新粉を振るい入れる。2を入れて、ゴムベラで混ぜる。ゴムベラをタテに切るように使いながら、さっくりと混ぜるのがコツ。
4./別のボウルに卵白と砂糖15gを入れて、ハンドミキサーで、ツノが立つまでしっかり泡立てる。ハンドミキサーが無い場合は、泡だて器で。
ツノが立つまで泡立てる
5./3に4を入れ、泡をつぶさないようにしながら、ゴムベラで混ぜ合わせる。
泡をつぶさないように混ぜる
6./「くっつかないレンジカップ」の半量まで、5を入れる。倍ほどに膨らむので入れすぎないように。
倍ほどに膨らむので注意
7./電子レンジ500Wで5分加熱し、2分放置。カップがはがせるようなら、OK。カップに生地がくっついてくる場合には、加熱時間を1分ずつ足す。蒸し器を使う場合は、中火で20分ほど。爪楊枝を刺して生地がついてこなければよい。
いずれも自然に冷まして、召し上がれ。
ホワホワモチモチの食感
●カルカンまんじゅうの作り方
カルカンの中にあんを入れた物は「カルカンまんじゅう」と呼ばれています。
工程6で、容器の1/4まで生地をいれたら、丸めたあんを置き、その上に生地を足し入れて、あんをおおいます。こしあんが一般的ですが、つぶあんでももちろん作れます。
あんを置く
福田恭子/発酵食品ソムリエ。フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。
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