旬を迎えたボラの卵巣を、塩と日本酒を惜しみなく使い、手塩にかけ仕込んだ結晶、からすみ。空模様を見ながら、からすみの状態を見ながら、育てたその姿は、ときに愛おしく感じることさえもしばしばです。
日本では高級珍味として親しまれておりますが、からすみの美味しさはところ変わって地中海エリアでも楽しまれているごちそう食材です。スパゲッティにこれでもか、というぐらいたっぷりのからすみを削り、いただくときに包まれる香りと口福感はたまりません。私も大好きなスパゲッティメニューのひとつ、早速ご紹介して参ります。
からすみのスパゲッティの作り方
【材料】(1人分)
・からすみ:約20g
・スパゲッティ:70~80g
・エキストラバージンオリーブオイル:大さじ2
・にんにく:1/2かけ
・塩:適量
・黒胡椒:適量
・レモンの搾り汁:大さじ1
【作り方】
1./にんにくをたたく。
2./鍋で湯をわかす。同時にフライパンにEXVオリーヴオイルと1のにんにくを入れ弱火にし、淡いきつね色になり、香りが出てきたら取りだす。
弱火でやさしくにんにくの香りを出す
にんにくをこんがりさせないように
3./熱湯に塩を入れ、スパゲッティを茹でる。
4./2のフライパンにレモンの搾り汁を入れ混ぜ合わせ、茹でたスパゲッティを入れ、手早くしっかりと馴染ませ、器に盛り付ける。
混ざったところにスパゲッティ投入
5./4のスパゲッティにからすみを削り、仕上げに黒胡椒も散らして出来上り。
削っているときの香りもごちそう
からすみをからめながら食べる
からすみのスパゲッティは、レモンの搾り汁がポイントです。
エキストラバージンオリーブオイルとレモンの搾り汁をしっかり混ぜ合わせたソースをスパゲッティにからめます。そこへ降りそそぐからすみのシャワー、スパゲッティがまるでスポットライトを浴びたように光り輝いて見えてきます。言い過ぎ?!やもしれませんが、そのくらい美しく香り豊かなからすみスパゲッティ、シンプルなのに絶品、ぜひお試しください。
奥田ここ
国内外各地の市場を「師」とあおぎ、様々なスタイルでの和食及びイタリア家庭料理の料理教室を主宰。各種媒体・広告へのレシピ提供や食材産地の取材および食に関する企画・執筆、オーダーメイド仕様の出張料理など、国内外問わず活動中。素材の味を大切にし無駄なく使い切る献立作りを心掛けている。
kokookuda(Instagram)
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