
もう食事作りに困らない、超カンタンで作りまわしが効く一品
暑い、寒い、忙しい、買物に出たくない……食事作りに困ってしまう日ってありますよね。そんな時、これさえあればという、とっておきです。
フランス料理のコンフィという調理法からヒントを得ました。ガチョウやアヒルの食肉をオリーブオイルなどの油脂に浸し、低い温度でゆっくりと加熱する料理です。同じ原理で、鶏肉を、素材そのものが持っている油脂で調理しましょう。超カンタン!
ひと晩放置で、驚きのおいしさに
レンジでチンして、ひと晩、冷蔵庫に放置。冷えて浮いてきた脂を取り除く。
信じられないかもしれませんが、鶏肉そのものの風味が増して、とてもおいしくなります。
ドレッシングと添え野菜を変えることで、おつまみにも、サラダにも、メインディッシュにも、熱くしても冷たくしてもいただけます。
冷凍保存もできますので、作り置いて、メニューはその日の天気と気分で、決めちゃいましょう。
【材料】
・鶏モモ肉 : 500g(2枚)
・酒:大さじ5杯
【作り方】
1./鶏肉を、丼か深鉢に入れて、酒をふりかける。加熱すると油が出てくるので、深さに余裕のある容器を使うこと。ラップをふんわりとかける。
深さに余裕のある容器に入れる
2./レンジ600Wで10分、加熱する。
3./たまった汁はそのままにして、鶏肉の上下をひっくり返し、またラップをふんわりかけて、レンジ600Wで5分加熱。
汁が出て、容器にたまる
竹串を刺してみて、赤い肉汁が出てこなければOK。赤い汁が出てくるようなら、3分ほど追加で加熱する。肉汁が乾燥してしまわないように注意する。
4./レンジから取り出し、粗熱がとれたら、冷蔵庫に入れて、ひと晩放置。
5./脂が固まって層になっているので、はがして捨てる。ゼリー状になっている肉汁は料理に使う。
ゼリー状の肉汁の上に、脂の層がある
6./保存するには、ゼリー状の肉汁ごとチャック付き保存袋に入れて、冷凍する。
●様々なタレを使って鶏肉コンフィ風の料理レシピ
〜〜おつまみやオードブルとして
右がみそダレ、左が梅肉タレ
【作り方】
鶏肉を薄く切り、ゼリー状の肉汁も添える。みそダレか梅肉ダレをかける。
【みそダレの作り方】
合わせみそとみりんと砂糖を、1:1:2の分量(例えば、みそ20g、みりん20cc、砂糖40g)にして、弱火にかける。艶が出てねっとりした感じになれば、できあがり。
※みそによって塩分に違いがあるので、お好みで砂糖の量は加減してください。
【梅肉タレの作り方】
種を抜いた梅干しと砂糖とみりんを、1:1:1の分量(例えば、種抜き梅干し10g、みりん10cc、砂糖10g)にして、擂鉢で、なめらかになるまで擂る。
梅干しにより塩分や酸っぱさに違いがあるので、お好みで砂糖の量は加減してください。
〜〜冷サラダや温サラダとして
冷サラダ(左)と温サラダ
タレはゴマポン酢(写真左)とオリーブオイル&バルサミコ酢を用意。
【作り方】
有りあわせの野菜で、サラダを作り、鶏肉をのせる。温サラダの場合は、鶏肉もレンジで温める。
ゴマポン酢タレか、オリーブオイルとバルサミコ酢のタレがよく合う。
【ゴマポン酢タレの作り方】
市販のゴマダレとポン酢を、2:1で混ぜる(例えば、ゴマダレ100ccとポン酢50cc)。
【オリーブオイル&バルサミコ酢ダレの作り方】
オリーブオイルとバルサミコ酢と砂糖を2:2:1(例えば、オリーブオイル20ccとバルサミコ酢20cc、砂糖10g)、塩とこしょうを少々、すべてをよく振り混ぜる。
〜〜メインディッシュのチキンソテーとして
添え野菜は、有りあわせを彩りよく
【作り方】
フライパンに肉汁を入れ、皮目を下にして焼き、焼き色がついたらひっくり返して肉側も焼く。有りあわせの野菜を添えて、マヨネーズみそタレをかける。
【マヨネーズみそタレの作り方】
マヨネーズと合わせみそとみりんを 2:1:1の割合(例えば、マヨネーズ20cc、みそ10g、みりん10cc)で混ぜる。みそが辛いようなら、お好みで砂糖少々を足してください。
〜〜バンバンジーとして
ゴマの香りが食欲をそそる
【作り方】
有りあわせの野菜やハルサメの上に鶏肉を置き、バンバンジータレをかける。
【バンバンジータレの作り方】
市販の練りゴマ、合わせみそ、醤油、酢、砂糖を、2:1:1:1:1(例えば、練りゴマ20g、みそ10g、醤油10cc、酢10cc、砂糖10g)の分量で用意し、甜麺醤とすりゴマとゴマ油少々を足して混ぜる。お好みでニンニクをすりおろして加えてもおいしい。
上記の鶏肉料理とタレの組み合わせは自由です。お好みと、手元にある食材で自在にお試しください。
文・レシピ:福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。