【京のおばんざい】新年を寿ぐ「大福茶(おおぶくちゃ)」と「三つ肴」

カテゴリー:レシピ 投稿日:2022.12.28

京都のお正月に欠かせないのが、大福茶と三つ肴。
大福茶は、平安時代の天皇も飲んでいたといわれ「皇服茶」とも書きます。読み方はどちらも「オーブクチャ」。小梅と結び昆布を入れた湯呑に熱湯や煎茶、玄米茶などを注いだ飲み物です。
三つ肴とは、カズノコとゴマメとたたきゴボウの三種類。カズノコは子孫繁栄を、ゴマメは田作りとも呼ばれて五穀豊穣を、たたきゴボウはしっかり根を張るように、という願いが込められています。たたきゴボウの代わりに黒豆を使う家庭もあり、苦労してまめに働けという意だそうです。
年頭に縁起物をいただいて、幸を祈願しましょう。

 

大福茶の作り方
結び昆布は、出汁を取った後の昆布を細く切って結びます。小梅はお好みの物で結構です。
朝いちばんに「お祝いやす」「おめでとうさんです」などと言って飲みます。

 

【材料】
・小梅:1個
・結び昆布:1つ
・お好みのお茶か熱湯:適量

 

【作り方】
1./湯呑に、小梅と結び昆布を入れ、お好みのお茶か熱湯を適量、注ぐ。

邪気を払い、健康を願って飲む

 

三つ肴 ①カズノコの作り方
塩カズノコは塩抜きをして使います。味つけしていないカズノコにしょうゆをかける食べ方もありますが、白だしに漬けると風味が出ます。

 

【材料】
・塩カズノコ:100g
・塩:20g
・水:1000ml
・白だし:100ml

 

【作り方】
1./ポリ袋に塩と水を入れて溶かし、塩カズノコを一日浸けて、塩抜きをする。端を食べてみて、ちょっとしょっぱいと感じるくらいでOK。まだ辛いようなら、新しい塩水に替えて浸ける。
2./カズノコの薄皮を丁寧にむく。ひと口大に手でちぎって、白だしに漬ける。

子孫繁栄を願う

 

三つ肴 ②ゴマメ(田作り)の作り方
とにかく弱火でじっくりと。ゴマメもアメも焦がさないことがコツです。冷めたら固まりますので、柔らかいくらいで大丈夫です。

 

【材料】
・ゴマメ:1袋(35g)
・酒:大さじ1
・みりん:大さじ1
・砂糖:大さじ1
・しょうゆ:大さじ1

 

【作り方】
1./フライパンでゴマメを乾煎りする。ゴマメの湿気を十分に取る。クッキングペーパーに広げてあら熱を取る。
2./フライパンに酒、みりん、砂糖、しょうゆを入れて砂糖を溶かす。砂糖が溶けたら、1のゴマメを入れて、手早くからめる。

五穀豊穣を願う

 

三つ肴 ③たたきゴボウの作り方
ゴボウは酢水に浸けて、茶色っぽく変色するのを防ぎます。歯ごたえを活かすため、湯がきすぎないようにご注意ください。ゴマは、つきゴマが見た目も味わいもよくおすすめです。薄口しょうゆを使うと、きれいな色に仕上げることができます。

 

【材料】
・ゴボウ:100g
・酢:少量
・薄口しょうゆ:小さじ1
・つきゴマ:小さじ1

 

【作り方】
1./ゴボウの皮は、包丁の背でけずるようにして薄くむく。金属タワシなどでこすってもよい。細い物はタテ1/2に、太い物は1/4に切り、酢を入れた水に浸ける。
2./歯ごたえが残る程度に、ゴボウを湯がく。ザルにあけて水をしっかりきる。
3./ボウルに2のゴボウ、薄口しょうゆ、つきゴマを入れて混ぜる。

しっかり根を張るようにと願って

 

三つ肴は小皿に2個ずつ盛る

 

福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。2021年に発酵食品ソムリエの資格を取得。

 

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この記事を書いた人

編集部
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