つらい冬の朝におすすめなのが納豆汁。カラダをなかから目覚めさせ、しっかり栄養補給もできる、美容にも健康にもよい温かい汁ものです。小泉センセイお勧めのプラス食材5つと、小泉センセイ流納豆汁「黙って3杯」のレシピもご紹介!
江戸っ子のエネルギーのもと
かつて江戸っ子の朝は、納豆売りの声から始まりました。
ごはんとみそ汁は家で準備し、納豆売りから納豆を買って朝食にするのが江戸庶民の定番だったのです。この時に江戸っ子が好んだのが、納豆をみそ汁に入れてつくる納豆汁。
江戸時代の人々が、仏教の影響からほとんど肉食をしていなかったことは知られていますが、 “畑の肉”と呼ばれる大豆が貴重な栄養源となりました。なかでもよく食べられたのは、大豆を発酵させてつくる納豆でした。
納豆は、良質のたんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富に含み、消化吸収に優れた“健康食材”です。特にビタミンB2は、納豆菌により発酵することによって大幅に増え、大豆と比べても7倍にもなります。さらに、たんぱく質や炭水化物の消化に役立つ消化酵素が豊富に含まれています。また、食物繊維も豊富で腸を刺激することなどから、お腹の調子を整える効果があるとされています。
ストレスフリーな朝に!
せっかちな江戸っ子の定番となっていただけに(!?)納豆汁の作り方はとても簡単。だしとみそだけのシンプルなみそ汁をつくり、納豆を加えるだけ。包丁で叩いた納豆やすり鉢でよくすった納豆を使うのが江戸っ子流ですが、そのままでももちろんOK。豆の食感が楽しめます。お正月に余ったお餅を焼いて入れてもよし。
「納豆は好きだけれど、汁ものにしたら匂いがキツくならない?」と心配する人もいますが、みそ汁の香りは生かしつつコクと深みが増し、新たな味わいに。時間がたつと香りが変わってくるので、さらりと食べたい人は1食分だけを作りましょう。
●基本の納豆汁
【材料】
納豆/1〜2パック
みそ汁/お椀に軽めに1杯分
ねぎ/適宜
【作り方】
①/納豆を包丁で叩く。
②/①をお椀に入れ、みそ汁を注ぐ。ねぎを散らして出来上がり。
※①で、納豆をすり鉢ですればなめらかな舌触りが、軽く混ぜるだけなら豆の食感が楽しめる。
【小泉センセイ流プラス食材5】
・さいの目に切った絹ごし豆腐
・さいの目に切ったとろろイモ
・ナメコ
・ジュンサイ
・オクラ
●小泉センセイ流納豆汁「黙って3杯」
黙って3杯おかわりしたくなるおいしさ!
おぼろ昆布を使ってもおいしい
【材料】
・だし/お椀1杯分
・しょうゆ/少々
・ひき割り納豆/1パック
・とろろ昆布/適量
・ねぎ/適宜
【作り方】
①/だし汁にしょうゆを合わせる。やや薄めにするのがコツ
②/お椀にひき割り納豆ととろろ昆布を入れ、①を注ぐ
③/②にねぎを散らして出来上がり
〔参考:「くさい食べもの大全」(小泉武夫、東京堂出版)、「発酵食品礼賛」(小泉武夫、文春新書)、「賢者の非常食」(小泉武夫、IDP新書)〕