【歴メシを愉しむ(108)】お家で大人の旅あそび

カテゴリー:食情報 投稿日:2021.05.16

5月16日は「旅の日」。その由来は、かの俳聖・松尾芭蕉が、「月日は百代の過客にして、行かふ年もまた旅人なり」で始まる「奥の細道」(東京・深川の芭蕉庵から東北・北陸地方を訪れる)へ旅立ったのが、1689(元禄2)年3月27日で、現代の暦に置き換えると5月16日であることからという。

旅どころか、外出もままならない現在であるが、「旅の日」にあやかって新緑溢れる5月、家ごもりを楽しく過ごす大人あそびとして、家で「旅気分」を味わうことにしよう。

 

道中で芭蕉が飲食したものに憧れる

『奥の細道』は、1702(元禄15)年に刊行されたが、随行した芭蕉の弟子・曾良が記した『曾良旅日記』には、旅で二人が飲み食べしたものの記述もあり、芭蕉の句・人物ともに好きな私にとって、とても興味深いものだ。

道中では、「蕎麦切り」「素麺」「うどん」「なら茶(奈良茶飯の略/米を煎茶と塩と共に炊いたもの)」「餅」「菓子」「酒」「茶」など、つましいものばかりである。この時代であれば当然なのだろうが、現代のように旅先でグルメ三昧!ではないのがかえって新鮮で、憧れてしまう。

 

旅あそびの「お好みあられ」

家で旅気分を味わうにもいろいろなパターンがある。行きたい旅先の名産品をネット取り寄せで食べることも一つだが、もっと気軽に、旅の車中で楽しむ「旅おやつとお酒」で旅あそびをしてみたい。私は元々、旅先で出合うおやつ(酒のアテ)も楽しみだが、目的地へ向かう車中で、ワクワクしながらつまむアテとお酒の用意に余念がない食いしん坊である。

それはまず、車中酒にと担いで行く酒選びから始まる。愛用のスキットルに入れるのはシングルモルト、可愛いミニボトルのジンやラム。日本酒だけは旅先の地酒が楽しみなので持って行かない。

そして、これらのお酒に合う“旅おやつ”がなければ、一気に不機嫌旅になってしまうので、準備は必須である。

まず、私は大のおかき好きで、中でも、「お好みあられ」に目が無い。一番好きなものは、神戸元町に本店がある花見屋のお好みあられ。1939(昭和14)年創業の同店の看板商品で、おかきや豆類などおよそ40種類が、あの味この味が、なにやらヤメられないモノが、ごちゃごちゃ入っている。気が付けば、200g入りの袋全部を一時で食べてしまうので、自分でも怖いおやつだ。

他には、うに豆か塩豆、燻たま、さきいか天、スライスサラミかコンビーフ缶、笹かまぼこ、6Pチーズなど、とりあえずこのあたりがあれば、旅の車中は安心安全で幸せなのである…と品名を打っていて、いま気付いたのだが、毎度、旅へ出る時の荷物がやけに重いと思っていたら、実は、お酒と旅おやつで鞄の中がパンパンであったのだ。しかし、どれかを減らすとしたら、めちゃくちゃ悩んでしまうことになるだろう。

こうしてみると、とても「奥の細道」に憧れるとは言えず、まだまだ修行が足りないようである。

早く本当の旅先の車中で、お酒とおやつを愉しむ日が来ることを夢見て、まずはウイスキーとお好みあられで、お家の旅あそびを始めることにしよう。

 

 

歳時記×食文化研究所

北野 智子

 

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この記事を書いた人

編集部
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