大寒が過ぎ、寒さが厳しくなるこの時期は、しぼりたての新酒が楽しめる季節です。酒蔵を訪ねると新酒が出来たことを知らせる緑の杉玉を見ることもありますね。もちろん美味しい日本酒と冬の味覚を楽しむ醍醐味は格別ですが、お酒がしぼられたあとに残る酒粕を美味しくいただくのも、また、味わい深いものです。
酒粕には、身体に必要なアミノ酸が多く含まれていて、ビタミン類も豊富!更に、気になる血圧やコレステロールの改善にも効果が期待されるなど、健康な生活には、ぜひ、取り入れたい発酵食品です。市販されている酒粕は、板状のもの、練り状のものなどがあり、熟成度によって白く淡い色から濃く黄色みを帯びた色のものなどがあります。熟成度の低い淡い色のものは、甘酒や粕汁などで風味を味わい、熟成度の高い色の濃いものは、肉や魚や野菜などを粕漬けにすることで、それぞれの旨味をより引き出してくれる調味料になります。
今回は、寒い季節に美味しいふっくらとした牡蠣と熟成度の低い白い酒粕を合わせて、生クリームでコクを出し、酒粕の風味を味わいながらあつあつが美味しいオイスターチャウダーにしてみましょう。
【材料】
・牡蠣:400g
・玉ねぎ:1個
・人参:1本
・じゃがいも:2個
・大根:200g
・蓮根:200g
・パセリ:少々
・ローリエ:1枚
・酒粕:50g
・水:500ml
・生クリーム:200ml
・酒:大さじ1
・塩、胡椒:少々
・塩小さじ1/2
・オリーブオイル大さじ3
根菜類もたくさん!
【作り方】
1./牡蠣は、ボウルに入れ水と塩少々を加えて手でそっと混ぜ合わせる。2~3回水を替え、牡蠣を1個ずつ丁寧に洗いざるにあげ、水気を切る。水を切った牡蠣をバッドに並べ塩小さじ1/2と酒大さじ1を全体にふりなじんだら、一つずつに軽く小麦粉(分量外)をつけておく。野菜は、すべて1cm大のさいの目に切っておく。
牡蠣は、塩水で洗う
丁寧にしたごしらえ
2./鍋にオリーブオイル大さじ2を入れ、中火で温め、牡蠣を入れ両面を軽く焼いて取り出しておく。
軽く焼いた牡蠣
3./取り出した後、火を止めた鍋に野菜を全て入れ、オリーブオイル大さじ1を入れ、野菜全体にオリーブオイルが回ったら火をつけて、蓋をして蒸らし炒めをする。蒸らし炒めをすることで、野菜の旨味を十分に引き出しながら柔らかく美味しくなる。野菜が焦げないように時々、蓋をあけて底から混ぜる。その時に、蓋についた蒸気を鍋に戻すことも旨味を逃さないポイント!
蒸らし炒めの前
透明感が出た蒸らし炒めの野菜
4./野菜が透き通り炒め終わったら、水500mlとローリエを入れ、沸々と煮立ってきたら、煮汁を50mlほど取り出して酒粕と混ぜてクリーム状にする。小さい泡立て器を使うと混ぜやすくクリーム状にし易い。
クリーム状にする前の酒粕
5./野菜が柔らかく煮えたら、生クリームとクリーム状にした酒粕を入れ丁寧に混ぜ合わせる。塩と胡椒で味を整えて、最後に牡蠣を戻し、全体が温かくなったらできあがり。牡蠣を入れた後は、煮込みすぎないようにすることで牡蠣がふっくらと美味しくいただける。器に盛ったら、パセリを散らしてあつあつを召し上がれ!
坂本広美/発酵食品ソムリエNo.111。発酵料理愛好家。スクールカウンセラーなど子育て相談も務め、子どもの心とからだの成長発達に大切な「食」を親子で楽しむイベントなどを開催。
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