ワインは、色によって分類されます。食事の際には、今日は肉だから赤ワイン、魚だから白ワインを飲もうとか、ワインの色を基準にするケースが多いようです。
ところが、ワインには「白」、「赤」、「ロゼ」の他に、「オレンジ色」や「黄色」まで存在しています。
一般的に言うとブドウ果汁を発酵させたものがワインです。元々、赤ワインの色素は、ブドウの皮に含まれており、実を皮と共に発酵させワインに移すものです。そのため、赤ワインでも皮を含まない醸造法によっては白ワインのような赤くないワインもできます。
また、色素を持たない白ワイン製造では、最初に皮を取り除いてジュースのみで発酵させます。
では、オレンジ色のワインはどのように造られるのでしょうか?
原料は、白ブドウです。白ブドウを皮ごと発酵させます。ちょうど赤ワインを作るときと同じように造るわけです。白ブドウの皮には、黄色を中心とした色素ポリフェノール(フラボン)が含まれております。そのために、皮から色素が抽出されて、オレンジ色になります。もともとは大昔からグルジア(ジョージア)で造られていたといいます。近年、国産ワインブームで国内でも、いくつかのワイナリーによってオレンジ色のワインが造られるようになりました。
続いて「黄色いワイン」。
これは、ヴァン・ジョーヌと呼ばれるワインです。ヴァン=ワイン、ジョーヌ=黄色という意味です。これはフランス、スイス国境の地域ジュラで造られていたワインです。通常では、ワインに使われない「産膜酵母」という汚染酵母に近い種類の酵母を用い、ワインの表面に膜を造らせ、十分に空気に触れさせながら5~6年という長い期間樽で発酵・熟成させることでワインに濃い黄色みを持たせます。ヴァン・ジョーヌはジュラでしか造られておらず、市場での流通量も限定されています。ワインの色もいろいろ、味もいろいろというわけです。
金内誠(宮城大学教授)
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