長寿の島、奄美大島に古くから伝わる「ミキ」。サツマイモとおかゆを乳酸発酵させて作るミキは、栄養価が高く消化も良いので、奄美では子どもからお年寄りまで愛飲されています。その名の由来は、神様に捧げる「御神酒」(おみき)から来ているとも言われ、夏祭りのお供え物として各家庭で作られていたそうです。今回は旬のサツマイモと新米を使ってミキを作ります。作り方はとても簡単、今の気温なら室温で十分発酵します。
「ミキ」の作り方
ミキは奄美大島ではサツマイモと米で作りますが、沖縄では麦粉と米などでも作るそうです。今回は、旬でもあるサツマイモと新米を材料にしました。砂糖は甘味というより発酵を促進させるために入れるものです。
【材料】
・米:150g(1合)
・サツマイモ:30g
・水:600ml
・砂糖:大さじ1
【作り方】
1./米を研いで水に30分以上浸けておく。
2./サツマイモの皮をピーラーなどでむき、30分ほど水に浸けてアクを抜く。
イモの皮をむいて水に浸ける
3./1をザルにあけ、分量の水でおかゆを炊く。
おかゆを炊く
4./3が炊き上がったら保存容器に入れ、40~50℃程度に冷ます。
5./冷ましている間に2のイモをできるだけ細かい目のおろし金でする。
おろしたイモとおかゆ
6./冷ました4にすったイモと砂糖を入れてよくかき混ぜる。最初はもたっとした感じがするが、混ぜているうちに急にさらっとしてくる。そうなったら保存容器にふたをして陽当たりの良い場所に置いておく。
最初はもたっとしている
さらっとしたら発酵開始
7./気温にもよるが、今の時期なら大体1~3日経つと泡がプツプツ出てくる。これが発酵している証拠で発酵終了。味を見て酸味が多い方が良ければさらに発酵させて適度に酸味を出す。
発酵して泡がプツプツ出ている
8./さらに飲みやすくするため、7をミキサーにかけて粒を粉砕する。冷蔵庫で冷やし、1週間ぐらいは保存可能。
ほんのり色づいている
ミキはそのまま飲むだけでなく、豆乳やヨーグルトと割ってもおいしくいただけます。また、調味料として味噌と合わせて漬床にしたり、ドレッシングなどにも使えます。
大根の味噌ミキ漬けは、味噌2/3、ミキ1/3でよく混ぜ、皮をむいて2日ほど干した大根を漬けるだけです。ほんのり甘味と酸味があって美味です。
大根の味噌ミキ漬け
(文責・編集部)
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