茶人は11月にお正月を迎えます。
4月末から5月に摘まれた新茶は、すぐには抹茶にはしません。茶壺に入れて目張りをし、熟成させ、11月に封を切ってお茶をひきます。その催しが「口切りの茶事」です。また、湯を沸かすのに風炉ではなく炉を使い始めるので「炉開きの茶事」も開かれます。大切な行事が2つもあるため、11月が「茶人の正月」といわれる所以です。
古茶新茶ともに出回るこの時季、抹茶風味のどら焼きを作ってみませんか。中身は、旬のさつま芋をきんとんに仕立てます。秋の“むしやしない(京ことばで軽く小腹を満たす意)”にぴったりのスイーツです。
芋きんとんの抹茶どら焼きの作り方
生地には甘酒、芋きんとんには本みりんを使用することで、砂糖を減らします。抹茶の香りとほろ苦さ、さつま芋の自然の甘味が引き立ちます。
【材料】(どら焼き4個分)
・薄力粉:70g
・ベーキングパウダー:4g
・抹茶粉:4g
・砂糖:60g(40gは生地に使用、20gは芋きんとんに使用)
・卵:1個
・甘酒:50g
・さつま芋:(皮をむいた中身)150g
・本みりん:30ml
・油:適量
【作り方】
1./さつま芋の皮をむき、2センチほどの輪切りにして、10分ほど水にさらす。
2./薄力粉、ベーキングパウダー、抹茶粉、砂糖40gをふるいにかけ、合わせておく。
3./卵を溶き、甘酒と混ぜる。2を、だまにならぬように、3回に分けて加え、そのつど混ぜる。
3回に分けて混ぜ入れる
4./ラップをして、冷蔵庫で30分程、休ませる。
5./1のさつま芋を電子レンジ600Wで6分加熱する。柔らかくなるまで、1分ずつ追加で加熱する。
6./フードプロセッサーに、5のさつま芋と本みりん、砂糖20gを入れて、ペースト状になるまで混ぜる。フードプロセッサーが無い場合は、鍋に入れて弱火にかけ、ヘラかしゃもじなどで、さつま芋をつぶしながら練る。焦げそうになったら、水を少量足して、なめらかになるまで練る。
練ってなめらかにする
7./熱したフライパンかホットプレートに薄く油を敷き、4の生地の1/8ずつを円形に流し入れて、全部で8枚、弱火で焼く。大さじ1が、ほぼ1/8の分量である。ふくらむので、離して焼く。
8./表面がフツフツしてきたらフライ返しでひっくり返し、両面がきつね色になるように焼く。
このくらいで引っくり返す
9./あら熱が取れたら、生地2枚を1組にして、6の芋きんとんの1/4をはさむ。全部で4個できる。
秋風味のどら焼き
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福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。