以前、たくわんを燻(いぶ)して薫香を付けた「がっこいぶり」の作り方をご紹介しました。今回は、糠床そのものに薫香を付け、糠漬けの旨味が入った上にほんのり香ばしい薫香が付いた「燻製風味の糠床」を作ります。燻製が食べたいなと思ったら、糠漬けにすればよい、という不思議な糠床です。
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燻製風味の糠床の作り方
薫香は手軽に入手できる麦茶の大麦に付けます。一度作れば何度でも使えるので便利です。燻煙も「がっこいぶり」でご紹介した方法で行なえば、室内に煙が充満することもなく簡単にできます。また、桜のチップのかわりに紅茶や緑茶でもできます。桜とはまた違った香りが楽しめます。
【材料】
・糠床:500g(よく熟成されたものがよい)
・麦茶パック:3袋(1袋80g程度)
・塩:30g程度(糠床の塩加減により調整)
・桜のチップ:20~30g程度
熟成糠床と麦茶と塩
<燻煙器>
※どれも100円ショップで購入可
・ステンレスのボウル:2個
・餅焼き用の目の粗い網:1枚
・アルミホイル:10cm角を1枚と20cm角1枚
燻煙器はこれだけ、300円ちょっと
【作り方】
1./麦茶のパックをあけて20cm角のアルミホイルにのせる。
麦茶のパックをあける
2./ボウルの底に10cm角のアルミホイルを敷き、その上に桜のチップをのせる。
3./その上に網を置き、1をのせる。
4./もう1つのボウルでフタをし、中火で火にかける。1分程度で煙がボウルの隙間から出てくるので、すぐ弱火にして7分いぶす。この間必ず見守ること。また途中でフタを開けてはいけない。
5./10分経ったら火を止め、そのまま10分置く。一度麦茶をかき混ぜて再度弱火にして7分いぶしてから火を止め、そのまま10分置いて燻煙終了。
※火を止めてすぐフタを開けると煙が部屋に充満してしまうので、必ず10分置いてください。
麦茶に薫香が付いた
6./糠床に5と塩を投入してよく混ぜて1日寝かせて出来上がり。
大根をよく干して、燻製風味糠床に漬ければ、糠床の旨味の入ったいぶりがっこ風の大根漬けが出来上がります。
よく干し上げた大根
いぶりがっこ風に
他に燻製風糠床に合うものとしては、ゆで卵、チーズなどがありますが、いろいろお好きなものを漬けて楽しんでください。ただし、ソーセージや生肉、チーズなどを漬ける場合は糠床を素材になするようにして冷蔵庫で漬け、漬けた糠は捨ててください。
燻製風ゆで卵とチーズ