精子の量が減っている! (2)【小泉武夫・賢者の非常食(64)】

カテゴリー:食情報 投稿日:2019.09.26

 8700万匹対1億1700匹

 和食は元来、ミネラル豊富な野菜類をたくさん食べる献立で成り立っています。和食=植物食=ミネラル摂取という図式が成り立つのです。

 ところが現代の日本人は、過去五〇年間で油の摂取量が三・六倍、肉の摂取量が三倍近く増えた反面、ミネラルの摂取量が三分の一に減少しました。その結果、看過(かんか)できない事態が発生しているのです。

 そのひとつに、男性の女性化という現象があります。さまざまな研究機関の発表によると、いまの日本の男性は精子の数が少なくなっているそうです。一ccの精液に含まれる精子の量を調べると、八七〇〇万匹しかいません。韓国や中国、それにヨーロッパやアメリカの若い男性の一ccの精子には、一億一七〇〇万匹の精子が含まれているのですから、その差は歴然としています。日本の若い夫婦に子どもができにくいのは、ミネラルの不足からくる精子の少なさが原因となっている可能性を指摘する専門家もいます。

 ミネラルの不足がもたらしている困った現象のもうひとつは、今の日本人がとてもキレやすくなってきたことです。とくに若者がキレやすくなっていることは大きな問題で、現在小、中、高校生の暴力事件は年間に六万八〇〇〇件と、この三年間で七〇%の伸びを示しています(二〇一〇年一二月一日朝日新聞、毎日新聞の朝刊)。

 暴力事件の中身を見ると、三分の一ずつに分かれます。ひとつは建物や備品に対する器物破損、もうひとつは生徒間の暴力、もうひとつは先生に対する暴力です。最後の先生に対する暴力などは、私が若かった頃には考えられない現象といえます。それだけ、現在の若者はあたり構わずキレているのです。

小泉武夫

 

 

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