輸出先1位は米国
昨年1年間の日本酒の海外への輸出額が約156億円に達し、過去最高となったことが財務省の貿易統計で明らかになりました。世界的に和食の人気が高まっていることや、海外の日本食レストランを中心に需要が広がったことが追い風となったようです。また、健康飲料として注目される緑茶、「Wagyu(和牛)」として知名度が高まっている国産牛肉の輸出額も、ともに過去最高を更新しました。
貿易統計によると、2016年の日本酒(清酒)の輸出額は前年比11%増の約156億円、輸出量は同9%増の1万9736キロリットルでした。一升瓶(1.8リットル)換算で約1096万本にもなります。世界無形文化遺産に登録されたことで和食の人気が世界的に高まっていること、寿司をはじめとした海外の日本食レストランを中心に消費の裾野が広がったことなどが要因とみられています。主な輸出先は、米国(約5100キロリットル)、韓国(約3700キロリットル)、台湾(約2100キロリットル)、中国(約1900キロリットル)でした。
緑茶や国産牛肉も過去最高を更新
緑茶の昨年の輸出額も、前年比14%増の約116億円で過去最高となりました。世界で緑茶を扱う専門店が増えていることや、訪日外国人がお土産に買い求めるなどで需要が高まっているそうです。輸出量は前年並みの約4100トンで、輸出先の上位3ヵ国は、米国(約1400トン)、台湾(約790トン)、シンガポール(約340トン)。
「Wagyu」として世界でも知名度が高まっている国産牛肉の輸出も、6年連続で過去最高を更新しました。昨年の輸出額は前年比23%増の約136億円で、輸出量も同18%増の約1909トンでした。輸出先トップの香港は、同33%増の40億円。富裕層を中心に高級和牛の需要が高かったそうで、輸出量も同24%増の約660トンでした。米国向け輸出は前年比24%増の21億円、輸出量は同19%増の約240トンでした。
また、リンゴの昨年の輸出額は前年比1%減の約133億円で、輸出量は同6%減の約3万2000トンでした。ライバルとなる米国産や韓国産が豊作だったことから、輸出先のシェア7割を占める台湾での価格競争が激しくなったことが影響したとみられています。
日本酒と緑茶の輸出額の推移(億円以下四捨五入)
●日本酒
2016年/156億円
2015年/140億円
2014年/115億円
2013年/105億円
2012年/89億円
●緑茶
2016年/116億円
2015年/101億円
2014年/78億円
2013年/66億円
2012年/51億円