編集部では数々のチーズ作りに挑戦してきました。先日、探していた白カビ菌が生きたブリーチーズをついに入手し、自作「白カビチーズ」に成功しました。水切りヨーグルトで作ったチーズの出来立ては酸味が強いですが、この水切りヨーグルトチーズに白カビを生やして熟成させると酸味がまろやかになり、ぐっとコクが増して本格的な味になります。生きた白カビ菌のブリーチーズが入手できればぜひ挑戦してみてください。白カビ菌の生える前後の味の変化にきっと驚くと思います。
「白カビチーズ」の作り方
種チーズに使うブリーチーズの多くは、殺菌して販売されているので白カビ菌は生きていません。しかし、中には菌が生きたまま販売されているものもあります。菌が生きているかどうかは注意書きがヒントになります。生きたままのチーズは、注意書きに「白カビが生えることがある」と書いてあることが多く、これが書かれているチーズがあればしめたものです。
あとはこのチーズを種にしてヨーグルトを作り、水切りして固め、白カビを貼り付けて寝かせるだけです。
フランス直輸入のブリーチーズ
これで菌が生きているのがわかる
【材料】約300gのチーズ1個分
・牛乳:1ℓ
・ブリーチーズ:30g程度
・塩:小さじ1
【作り方】
1./ブリーチーズを包丁で5mm角程度に切る。
大体5mm程度に切ればOK
2./鍋に牛乳と1を入れて火にかけ35~40℃ぐらいまで温める。
3./温まったら火から下ろし、保存容器にあけてふたをし、電気アンカや使い捨てカイロを容器の下に敷いてタオルなどで包み、保温する。気温が高くなったら保温せず常温でもOK。
アンカと保温バッグで保温する
4./8時間程度経つと固まってヨーグルトができる。これをさらしを敷いたザルにあけ、半日ぐらいそのままにして水を切る。
ヨーグルトになっている
さらしとザルで水を切る
5./十分水が切れたら塩を入れて混ぜて型に入れ、さらしをねじって水気を出すようにして冷蔵庫で1日固め、固まったら型から出して、保存容器に入れる。
型に入れて固める
100均のザル付き容器がベスト
6./種にしたブリーチーズの残りの白カビの部分をこそげ取って、5に貼り付け、フタをして2~3週間冷蔵庫で熟成させる。
ブリーチーズの白カビ部分をこそげ取る
7./時々様子を見て、白カビがモフモフに成長したら出来上がり。
こんなにモフモフ!
驚くほど本格的なチーズ!
しっかり固まっている
この白カビは、最初の10日ぐらいは何も変化がなく半ばあきらめていたところ、2週間目ぐらいから急激に成長を始め、3週間で写真のような超モフモフになりました。自作でここまで本格的な味が出るとは思えないほどのチーズが出来上がるので、改めて発酵の不思議さに驚かされました。時間をかけてもっとじっくり熟成させると、おそらく深いコクと旨味がある高級感のあるチーズになると思います。