「ほろほろと泣き合ふ尼や山葵漬け 高浜虚子」
尼さんたちが山葵(わさび)漬けを食べて、鼻にツーンとくる辛さのために涙を流している、という光景を詠んだ句です。わさびとわさび漬けは、俳句の世界では4月の季語。その辛み成分には、強い殺菌作用と抗炎症作用があると言われ、お刺身に添えられるのも理にかなっているのですが、涙が出るほどというのもちょっと残念です。
こんなわさび漬けに少し手を加えて、好みの辛さと味わいに仕立ててみませんか。今の時季、新鮮な花わさびも出回っています。自家製わさび漬けにチャレンジするもよし、市販のわさび漬けを使うもよし。アレンジ3品をご紹介しましょう。
春を告げる花わさび
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塩けのある具材がおススメ
わさび漬けとお好みの具材とを混ぜ、味がなじむまで置いておきます。海苔、柴漬けなどの漬物、梅干し等々。塩けのある物が合うようです。パリパリした食感の具材は避けたほうがよいでしょう。
●海苔とわさび漬け
【材料】
・海苔:適宜(目安として全型1枚)
・わさび漬け:適宜(目安として60g)
【作り方】
1./海苔をちぎって、わさび漬けと混ぜる。全体がねっとりするまで、2時間ほど置く。
ねっとり感と海苔の香り
●梅干しとわさび漬け
【材料】
・梅干し:適宜(目安として2個)
・わさび漬け:適宜(目安として50g)
【作り方】
1./梅干しをつぶして、わさび漬けと混ぜる。種も一緒に、1時間ほど置く。食べる前に種を取り除く。
酸っぱさはお好みで
●柴漬け、糠漬けとわさび漬け
【材料】
・柴漬け(あらみじんに切ったもの):適宜(目安として10g)
・糠漬け(ダイコンやニンジンなど、あらみじんに切ったもの):適宜(目安として計20g)
・わさび漬け:適宜(目安として60g使用)
【作り方】
1./材料のすべてを混ぜ合わせる。味がなじむまで、2時間ほど置く。
糠漬けはお好みの物で
ぜひお好きな物で試してみてください。
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。