石川県・金沢や白山の伝統的な発酵料理「大根寿し」。
大根と身欠きニシンを1週間から10日ほど麹に漬け込んでつくられます。
同じくブリと大根を糀に漬け込んでつくられる「かぶら寿し」とともに、石川県の特産物として古くから親しまれてきた「なれずし」の一種。
「かぶら寿し」でつかわれる魚・ブリよりも、「大根寿し」でつかわれるニシンのほうがより安価に手に入れられることから、江戸時代には、身分の高いものは「かぶら寿し」を、庶民は「大根寿し」を食べていたといわれています。
「大根寿し」はいまでは年間を通して食べられていますが、昔は冬の寒い季節につくられ、お正月や特別な日のお祝い料理として出されていたとか。
まず、大根を塩漬けにして、1週間ほど熟成させます。
下処理をしたニシンや人参や昆布、とうがらしなどと大根の塩漬けを、ごはんと麹でつくった甘酒とともに重ねながら漬け込み、重石をのせて1週間から10日ほど熟成させてつくられる「大根寿し」。
断面を切ってみると、厚みのしっかりとした大根の上にたっぷりの人参や昆布、麹ととも身欠きニシンが乗っかっています。
厚みのある断面!
大根のシャキシャキとした歯ごたえと、ニシンの香ばしい甘みや食感に、発酵による柔らかい酸味やコクが加わって、さまざまな味わいや食感が楽しめます。
人参や昆布、ピリッときかせたとうがらしにより、見た目にも彩りあざやか。
温かいごはんや、日本酒などにもピッタリの発酵食品。ぜひ、旅行などの際に味わってみてください!