日本人にとって馴染み深い魚といえば「アジ」。なかでも日本各地で獲れるマアジ(真鯵/スズキ目アジ科)が親しまれてきました。
地方によっては、キンベアジ(鹿児島)、ゼンゴ(中国・四国)、キアジ、キンアジ(東京)、アヅ(富山・秋田)、アカアジ(関西)、ヒラアジ(和歌山・大阪・広島)などと呼ばれています。
マアジの旬は3月頃からはじまり、4月~7月にピークを迎えます。
これからの季節がマアジの最も楽しめる季節。スーパーマーケットでも目にする機会が増えてきます。
アジを使った定番料理といえば、アジフライやアジのなめろう、南蛮漬けなどが思い浮かびますが、今回はちょっぴり珍しいアジ料理をご紹介します! これから出回るマアジをたっぷり使った郷土の絶品料理、その名も「アジのさんが焼き」。
房総半島周辺では昔からアジやイワシ、サンマなどがよく獲れました。この地域の漁師たちは、獲れたての魚を味噌と一緒に細かく刻み叩いた「なめろう」を作っていました。鮮魚を、不安定な船の上でも簡単に調理できるということで考えられた料理。あまりの美味しさに食べ終わったお皿までなめてしまうことからその名がつけられました。
言わずもがな、現在では千葉に限らず、広い地域で食べられ、居酒屋や魚料理屋などではよく見られるメニューでもありますね。
さて、「さんが焼き」とは、そんななめろうの進化版のような料理。
「さんが」とは「山家」のこと。漁師たちが山へ仕事に行くときに、あわびの殻になめろうを入れて持ち歩き、山小屋でそのなめろうを焼いたり蒸したりして食べたことから「山家(さんが)焼き」と呼ぶようになったそうです。
大葉に巻いて、贅沢にたっぷりのなめろうを挟んださんが焼き。多くのアジが出回るこの季節だからこそ楽しめる逸品を、ぜひ試してみてください!
アジのさんが焼きの作り方
【材料】
・アジ:4匹
・味噌:大さじ2
・しょうが:小さじ2
・青ネギ:1/2本
・大葉:8枚
・ごま油:適量
◎調味料
・酒:少々
・しょうゆ:少々
【作り方】
1./アジを三枚下ろしにし、まな板の上で細かく切る。
アジを三枚下ろしにする
2./青ネギ、しょうが、味噌を1のアジに混ぜ、よくたたき混ぜる。
写真のような細かさに切る
3./◎を2に加えさらに軽く混ぜる。
4./平たくまるめた3を大葉でくるみ、フライパンにごま油を熱して両面に少し焦げ目がつくまで焼いていく。
大葉がさわやかな見た目に