玄米発酵食品(玄米酵素)の抗酸化作用【玄米ヘルシーライフのすすめVol.1】

カテゴリー:[PR], 発酵食品全般 投稿日:2018.01.20

健康食品や自然食品というと、何にどう効くのか根拠が曖昧なまま、イメージだけで流通しているものが少なくない。今から20年も前に、そんな現状に疑問を持ち、はたして健康に効果があるのか、あるいは効果がないのか、確かなエビデンス(科学的根拠)を明らかにしようと考えた学者がいる。北海道大学名誉教授で元日本癌学会会長、現在は公益財団法人札幌がんセミナーの理事長を務める小林博先生(90歳)だ。20年にわたる健康食品の効果検証について、小林先生に話をうかがった。

がん研究60年を超える小林博先生

 

半信半疑だった抗酸化作用

Q/小林先生は健康食品だからこそ科学的根拠が必要ということですが?

 

「1998年、食と健康の教育活動をしながら、玄米を発酵させた食品“玄米酵素”の製造・販売を手がけている(株)玄米酵素社長の岩崎輝明さん(当時)の知己を得ました。私が『健康食品といえども、きちんとしたエビデンス(科学的根拠)が必要ですよ』と言うと、『では、小林先生にお願いしてもいいでしょうか?』ということになったのです」

 

「その健康食品“玄米酵素”は玄米・胚芽・表皮を麹菌で発酵させたものですが、商品名“玄米酵素”を学術論文等に使うことができません。そこで検討の結果、FBRA(ふぶら)という学術名を名付けました。Fermented(発酵) Brownrice(玄米)and Ricebrain(表皮・胚芽) by Aspergillus oryzae(麹菌)の頭文字をとったものです。」

 

 

Q/玄米酵素の健康効果をどのように証明していったのですか?

 

「まず手がけたのは、抗酸化作用でした。私が昔から親しくしている外科医の田澤賢次先生(富山医科薬科大学名誉教授)が、活性酸素などの研究をしていたので、玄米酵素が活性酸素の働きを抑えるかどうかの実験・検証を依頼しました。がんなどの病気や老化の原因のひとつは、活性酸素が細胞にダメージを与えることです。その活性酸素を抑制できれば、いろいろな病気の予防につながると考えたのです」

 

「正直なところ、田澤先生の実験結果を見るまで、私は玄米酵素の健康効果に対して懐疑的でした。ところが田澤先生の研究により、玄米酵素に活性酸素の発生を抑制する働きがあることが証明されました。しかも、活性酸素の働きを“ほどほど”によく抑えたのです」

日本癌学会会長を務めていた

 

「田澤先生のラット(実験用動物)を使った実験を紹介します。玄米酵素を含まない普通食と、玄米酵素を含む餌を30週間与えて、活性酸素の働きを抑える効果を調べました。その結果は、下の図のように、玄米酵素には活性酸素の働きを抑える効果がありました。しかも、玄米酵素の含有率が高いほど効果が高いということがわかったのです」

(注)活性酸素により細胞中のDNAがダメージを受けると「8-OHdG」という物質が発生する。ラットを上記のように3つのグループに分け、血中の「8-OHdG」の濃度を比較した。結果は、玄米酵素(FBRA)を5%含む餌を与えたグループと、玄米酵素(FBRA)を10%含む餌を与えたグループは活性酸素の発生が抑制された。

*玄米酵素(FBRA)の詳しい研究データの解説はこちら

 

がん研究65年のキャリア

Q/小林先生は、がん研究一筋とお聞きしています。がん研究を始められたきっかけを教えてください。

 

「私は1927年生まれなので、もう90歳になります。北海道大学医学部を卒業して同医学部の病理学に入局したのは1952年。病理学は大きく分けて臨床病理学と実験病理学があります。私が最初に就いた臨床病理学は患者から採取した組織片が、がん化しているかどうかを検査したり、ときには遺体を解剖して死因を調べたりします」

 

「ご遺体の解剖はチームで行うのですが、年末年始で人手が足りず、元旦に私が一人でご遺体の運搬から剖検(ぼうけん)、復元までやったことがあります。しかも氷りつく冷たい水しか出ませんでした。これは辛かったですね。その後興味は次第に実験病理に移りました。当時の実験病理の主なテーマは細胞レベルで、以来、がん研究一筋でやってきました」

大通公園を通って事務所に毎日通う

 

「アメリカの国立がん研究所に留学し、北大に戻ってくると教壇に立って医学生に腫瘍学を教えました。授業では出席カードを回収して学生の出欠を確認するのですが、私は出席カードをひと回り大きくして質問欄を設けました。学生からの質問は多岐にわたり、今使っている教材では不十分なことがわかりました。そこで当時の最先端の知識を盛り込んだ『医学生のための腫瘍学』(南山堂、1976年)を出版。全国で初めて医学部で使う標準テキストになったのです」

 

玄米酵素との縁

Q/小林先生は、1990年に推されて日本癌学会会長を務め、91年には北大医学部教授を定年で退官。その後は財団法人札幌がんセミナー(現在は内閣府所管の公益財団法人)の理事長に就き、がん研究者や患者さんに対する支援を続けています。(株)玄米酵素社長の岩崎輝明さんと知り合った経緯を教えてください。

 

「私が会員だった札幌北ロータリークラブで、(株)玄米酵素を創立した岩崎輝明社長と知り合ったのは1998年。今から20年ほど前になります。(株)玄米酵素という会社は健康食品“玄米酵素”を製造・販売するだけでなく、日本人の食生活を改善して、生活習慣病を予防しようと、全国各地でセミナーやクッキングスクールを開催したり、自然食レストラン、自然農園の運営を手がけていました」

 

「私も札幌がんセミナーでがん予防の啓発をしていましたから、岩崎社長とはウマが合いました。しかし、玄米酵素は本当に健康効果があるのかどうかについては疑問を持っていました。医学者の性(さが)でしょうか」

 

「先にも申し上げたように、岩崎社長は『小林先生に玄米酵素の研究をお願いできますか?』とおっしゃいました。健康食品の有効性を証明するにはかなり経費がかかると申し上げると、岩崎社長は即座に承諾されました。これは本気なんだと思い快諾しました」

 

「1998年に発足したFBRA(ふぶら)学術研究会ですが、メンバーも徐々に増えて、現在までに全国10以上の大学の研究者が参加し、年2回の研究発表会を開いていて、次々に玄米酵素の効果を検証してきました」

 

※第2回では「玄米酵素のがん抑制作用」などの研究成果も紹介します

※第2回は2018年2月20日に配信予定

※トップ写真は玄米です

 

【小林博】

こばやし・ひろし/1927年札幌市生まれ。医学博士。52年北海道大学医学部卒業。57年医学博士。59〜61年米国国立がん研究所に留学。66年北海道大学教授。医学部がん研究施設長を3回歴任。元日本癌学会会長。現在、同大学名誉教授。公益財団法人札幌がんセミナー理事長。『がんの予防・新版』(岩波書店)、『がんに挑む がんに学ぶ』(岩波書店)、『がんを味方にする生き方』(日経プレミアシリーズ)、『人間腫瘍学』『がんの未来学』『なぜがんと闘うのか』(いずれも札幌がんセミナー発行・コアアソシエツツ発売)など著書多数。

小林先生のこれまでの著書の一部

 

  •                    

\  この記事をSNSでシェアしよう!  /

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう!
小泉武夫 食マガジンの最新情報を毎日お届け

この記事を書いた人

編集部
「丸ごと小泉武夫 食 マガジン」は「食」に特化した情報サイトです。 発酵食を中心とした情報を発信していきます。

あわせて読みたい