黄ユズと赤唐辛子で仕込む!
ユズこしょうは青ユズと青唐辛子で作るのが一般的ですが、黄ユズと赤唐辛子で仕込むこともできます。緑のユズこしょうは、仕込める期間が短いため、タイミングを逃すと旬が終わってしまいがち。
その点、黄色と赤のユズこしょうは、黄ユズが出回る冬の間は、ずっと仕込めるのがうれしいですね。
唐辛子は乾燥でも生でもOK
ここで紹介するユズこしょうは、入手しやすい乾燥唐辛子を使うレシピです。もちろん、生の唐辛子が手に入る場合は、生を使っても。乾燥唐辛子は、数時間、水につけて戻してから使いましょう。
緑のユズこしょうは鮮烈な香りと辛さが持ち味ですが、黄色と赤のユズこしょうは、ユズ本来の豊かな香りが特徴。麹を加えた発酵バージョンは、熟成にともなって複雑な旨みと甘さが生まれます。
麹を入れないで仕込むこともできるので、入手のしやすさや好みに合わせてレシピをアレンジしてください。
黄色と赤のユズこしょうは、鍋はもちろん、ソテーした肉や魚介などと相性がバツグン。さらに、白身魚の刺身に添えても美味。和え物などにもどんどん使ってみましょう。
黄ユズのゴージャスな香りと赤唐辛子の刺激的な辛さを楽しんでください。
【材料】(100mlビン1個分)
・黄ユズ:大4個(使用する皮の部分だけで約30g)
・乾燥赤唐辛子(ヘタと種を除いて水で戻したもの):15~30g
※量は辛さの好みで調節。生唐辛子を使用する場合はヘタと種をとってゆずの1/2~同量が目安
・塩:10~15g(ユズの1/3~1/2量)
・ユズ果汁:小さじ1
・米麹:15g(ユズの半量)
※乾燥麹の場合は、ぬるま湯で戻して15gにする
黄ユズ、赤唐辛子、米麹、塩
【作り方】
1./乾燥唐辛子は種を除いてから水に数時間つけて戻しておく。生唐辛子はヘタと種を取り除く。
たっぷりの水につけて戻す
2./ユズ皮をすりおろす。白い部分が入ると苦みやカビの原因になるので、できるだけ入れないようにする。包丁やピーラーで皮をむいた場合は、みじん切りにするか、フードプロセッサーにかける。残ったユズの実は、果汁をしぼっておく。
黄色い皮だけをすりおろす
包丁やピーラーで皮をむいても
3./唐辛子はフードプロセッサーにかけて細かくする。フードプロセッサーがない場合は、包丁でみじん切りに。唐辛子を扱うときは、素手でやらず、かならず調理用手袋をすること。目や口など粘膜を触ると危険なので注意。
フードプロセッサーにかける
4./左がすりおろしたユズ皮。右はみじん切りの赤唐辛子。
できるだけ細かくしておく
5./2のユズ皮と3の唐辛子、塩、米麹を合わせ、すり鉢ですり混ぜる。
なめらかにすっていく
6./仕上げにユズのしぼり汁を加える。固さを見て、好みの固さになるように加えるユズ果汁の量を調節する。
ユズ果汁を加えて混ぜる
7./味をみて塩加減を調節してできあがり。すぐ使えるが、熟成させると味わいが深まる。残ったゆず果汁は、そのままビンなどに入れて冷蔵保存するか、ぽん酢を作るとよい。
※ぽん酢については、リンク先下部の「自家製ユズポン酢の作り方」を参照
保存は冷蔵で約1年
●ゆで鶏と揚げナスのユズこしょう和え(「黄色と赤の発酵ユズこしょう」を使ったレシピ1)
【材料(2~3人分)】
・鶏むね肉:1枚(約200g)
・長ネギの緑の部分:1本分
・ショウガ:1かけ
・鶏ガラスープのもと:大さじ1
・ナス:2個
・サラダ油:大さじ2~3
▼A
・黄色と赤の発酵ユズこしょう:小さじ2
・酢:小さじ2
・しょうゆ:小さじ2
・ゴマ油:小さじ1
・白髪ネギ(好みで):適宜
【作り方】
1./鍋に鶏肉、長ネギの緑の部分のぶつ切り、ショウガの薄切り、ひたひたの水(分量外)、鶏ガラスープのもとを加えて加熱する。アクが出てきたら取り、フタをしてふつふつするくらいの火加減で15~20分ゆでる。ゆで汁に入れたまま冷めるまでおいておく。冷めるまでゆで汁に入れておくことで肉がしっとり仕上がる。ゆで汁はスープなどに使うとよい。
2./ナスはヘタを取って縦1/6に切り、多めのサラダ油で揚げ焼きにする。
3./Aのたれを合わせておく。
4./1の鶏肉を食べやすい大きさに裂き、2のナスと合わせ、3のたれで和える。器に盛り、好みで白髪ネギ(長ネギの白い部分を千切りにして水にさらし、ぎゅっとしぼる)を添える。
●タコとセロリのユズこしょうマリネ(「黄色と赤の発酵ユズこしょう」を使ったレシピ2)
【材料(2人分)】
・ゆでダコ(刺身用):100g
・セロリ:1/2本
・プチトマト:4個
▼A
・黄色と赤の発酵ユズこしょう:小さじ1
・オリーブ油:大さじ1
・酢:大さじ1
・塩、こしょう:少々
・パクチー(好みで):適宜
【作り方】
1./タコは食べやすい大きさに切る。セロリは筋を取り、4~5センチ長さの薄切りに。プチトマトはざく切りにする。
2./Aのマリネ液を合わせておく。
3./1のタコ、セロリ、プチトマトを2のマリネ液で和える。器に盛り、好みでパクチーを添える。
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。