オーストラリアの一般家庭では、朝食に”発酵ペースト”をぬったパンを食べるのが定番だそう。その名は「ベジマイト」。これ、酵母エキスが原料となる、れっきとした発酵食品なのです。
栄養面でも抜群の発酵ペースト
ビールを醸造する際に出るカスからつくられ、ナイアシン、チアミン、葉酸などのビタミンB群が多く含まれ、栄養面も優秀。パッケージ正面の「ベジマイト」の文字の下にも、「ビタミンB群」との記載があり、健康食としてとり入れられているようです。
れっきとした発酵食品
この商品、元はイギリスから輸入していた類似商品「マーマイド」が、第1次世界大戦の影響により流通が途絶えたことで、1923年にオーストラリアの食品会社「フレッド・ウォーカー社」より製造販売されたもの。いまではオーストラリアの国民食とまで言われる食品となっているのです。
気になるお味は賛否両論!?
その気になるお味は? と、その前に、まずは見た目から説明したほうがよいでしょう。というのも、鮮やかな黄色い蓋を開けてみて驚きました!ほとんど黒に近い焦げ茶色をしているのです。醤油の色をイメージしてもらえば分かりやすいでしょうか。
見た目は良くないが…
お世辞にも、美味しそうな見た目ではありません……。
そして、蓋を開けた瞬間のもうひとつの大きな衝撃。
それは、なんとも表現し難いにおいを発しているのです。例えるなら、ウニや塩辛のにおいを強烈にしたような、”梅醤番茶”の香りにも少し似ているような…。しかし、しっかり発酵している香りではあります。
さて、それでは、肝心の味をご説明しましょう。
その強烈なにおいと、インターネットで、「オーストラリアの寄食」や「禁断の珍調味料」などと揶揄(やゆ)されていたからか、少しドキドキしながらも焼いた食パンに塗って食べてみました。
「ん? あれ? なかなかいけるじゃん!」
独特な風味であることは間違いないのですが、それがなんともいえない癖になるような味、というのが個人的な感想。発酵したことで生まれるコクや旨味としょっぱさが合わさり、パンなどの淡白な食べ物にピッタリなペーストだと感じました。
その強烈な味に拒否反応が出てしまう人も少なくはないでしょうか、珍味好きな人にとっては合格な味ではないでしょうか。
何はともあれ、気になる人は試してみるのが一番! 新しい味との出会いを楽しんでみてください!