自作の味噌作りに挑戦しようと思っても、「カビが生えるのでは?」という心配から挑戦を諦める方が少なくありません。梅雨時、確かに自作味噌にカビが生えた! という声を聞くこともあります。そこで今回は、自作味噌のさまざまなカビ予防法をご紹介します。ごく簡単にできるものばかり。自作味噌を仕込んでカビが心配な方は、ぜひ試してみてください。
カビは空気が大好物
味噌にカビが生える最も大きな原因は、味噌が空気に触れることです。味噌によく生える青カビは「好気性」で、空気があると繁殖するので、空気を遮断してカビを生えにくくすることがポイントになります。空気を遮断した後でもおいしくいただける方法もあわせてご紹介します。
方法その1〜わさびをのせる〜
わさびの辛味成分は「アリルイソチオシアネート」という物質であり、この物質には、抗菌作用があると言われています。この抗菌作用を利用します。
【やり方】
1./チューブのわさび、練りわさびを小皿やアルミ箔などに盛る。量は適当でOK。
2./味噌の表面に空気が入らないようにぴっちりラップをし、その上に1をのせる。
わさびをのせるだけでOK
方法その2〜出汁昆布で密閉〜
地方によっては、味噌作りの時期に味噌密閉用の昆布が売られるというぐらい、一部ではメジャーな方法です。空気を遮断するものに出汁昆布を使い、用済みになったらフタの役割りをしていた昆布も、昆布の味が移った味噌もおいしいという、うれしいおまけつきです。
【やり方】
1./出汁昆布を味噌が見えないように一面に敷く。
2./1の上からラップを昆布に密着させてぴっちりかけ、その上に重石代わりに皿などをのせる。
味噌が出ないように丁寧に
写真は昆布を敷いたばかりで味噌に密着していませんが、昆布がふやけたら味噌にぴったりくっつけて密封します。用済みになったら、昆布は細く刻んでアツアツのご飯にのせると、これまた抜群!
方法その3〜酒粕で密閉〜
これも用済みになった酒粕も味噌もおいしいという、おまけつきの方法です。【酒粕味噌で本格漬物に挑戦!】でご紹介したように、味噌漬けになった酒粕は酒粕味噌として漬物床に利用できます。また、グリルで焼くだけでもおいしいおつまみになります。味噌も酒粕の旨味でぐっとおいしくなります。
【やり方】
1./板粕を綿棒で伸ばして味噌の容器の大きさより大きめにする。
2./味噌の上に空気が入らないように1をぴっちり敷き、その上にラップを密着させてかけ、重石がわりに皿などをのせる。
容器の端まで酒粕でフタをする
方法その4〜ビニール袋で作る〜
この方法は最初から味噌を容器ではなくビニール袋(衣類圧縮袋)で作ります。ビニール袋の中で発酵するので、空気に触れることなく熟成が進みます。詳しくは【“衣類圧縮袋”で味噌を作ろう!】を参照してください。
【やり方】
1./衣類圧縮袋またはビニール袋で味噌を仕込む。
2./発酵が進んで二酸化炭素が発生し袋が膨らむので、時々口を開けてガスを抜く。ただし、その際には口を小さく開けてガスを押し出すだけにして、外気を取り込まないように注意する。ここが肝心なところです。
袋で仕込んで密閉したまま熟成
ガスが出たらガス抜き
どの方法も簡単で効果的です。カビを心配することなく、ぜひ自作味噌を作ってみてください。「手前味噌」と言いますが、自作の味噌は皆に自慢したくなるぐらい本当においしいです。
なお、こうした方法を使っても環境や味噌の塩加減、水加減などにより、どうしてもカビが生えてしまうことがあります。カビが生えたらその部分は取り除いて捨ててください。