NHK総合にて毎週土曜午後6時5分から放映されている土曜時代ドラマ『みをつくし料理帖』。今回再現したのは、澪(みお)が「ふきちゃんみたいに強い野菜よ」と勇気を出して欲しくて作った“ほろにが蕗ご飯&蕗の葉とじゃこの炒め煮”です。
澪は“ほろにが蕗ご飯”に油揚げを入れようとしていたのですが、「蕗の力ある旨さはそれだけでも素晴らしく美味しい」とあえて蕗のみのシンプルな炊き込みご飯にします。
蕗と少しの塩と酒で炊いただけなのに、蕗の香りが湯気と一緒にふんわり漂い、優しい春の味が口いっぱいに広がります。また“蕗の葉とじゃこの炒め煮”の茎部分とは違ったほろ苦さと米が素晴らしく相性が良く、“蕗ご飯”を食べるには欠かせない副菜になりそうです。
立派な自生の蕗
蕗の葉は、茎の部分よりもアクが強烈に強く、しっかりとアク抜きが必要ですが一度食べるとクセになる味わいです。手に入るなら捨てずに旬の名残りを味わってみてください。
●ほろにが蕗ご飯
【材料】(4人分)
・米:2合
・蕗の茎:3本分
・酒:大さじ1
・塩:小さじ1
【作り方】
1./〈下茹で〉蕗の茎は水でよく洗い、たっぷりの塩(分量外)で丁寧に板ずりする。自然にスジが取れてくるが後で取るので気にせずに、汚れが取れ鮮やかな緑色になったら、たっぷりの熱湯でさっと茹で冷水に放つ。
こすり合わせるよう前後に転がす
2./下茹でした茎の薄皮を手でむく。
面倒だけど美味しくなるポイント
3./米2合に対し、蕗3本を食べやすい大きさ(1.5cmくらい)に切って炊飯器に入れ、酒と塩、水を入れて炊く。
あとは炊くだけ
ふきちゃんの“ほろにが蕗ご飯”
●蕗の葉とじゃこの炒め煮
【材料】
・蕗の葉:適量
・重曹:小さじ1
・じゃこ:適量
・ごま油:大さじ1
・酒:大さじ1
・醤油:小さじ1
・白だし:大さじ1
【作り方】
1./〈下茹で〉鍋にたっぷりのお湯を沸かし重曹を入れ、蕗の葉を茹でる。再び沸騰してから1~2分茹でる。
湯が深緑色になるほどのアク
2./流水に取り何度か水を替えながら1時間〜1日浸ける。これでかなり苦味やクセが少なくなる。
お好みの苦味になるまで浸水する
3./フライパンにごま油を入れ、水気をよく絞ってザク切りした蕗の葉とじゃこをよく炒め、酒、醤油、白だしを入れ水分がなくなったら出来上がり。
ごま油と蕗の香りが食欲をそそる
苦味がクセになる味わい
【『みをつくし料理帖』“麗し鼈甲珠(べっこうだま)”再現レシピ】
〔参考文献:『花散らしの雨 みをつくし料理帖』(高田郁、ハルキ文庫)〕