大晦日の年越し蕎麦を、こだわって自作してみませんか?そこで、まずは蕎麦つゆの決め手、「かえし」を作りましょう。「かえし」とは江戸時代から作られ続けている、蕎麦や丼物などの和食には欠かせない万能調味料です。「かえし」には醤油を加熱して醤油カドを取る「本がえし」と醤油を時間をかけて(1ヵ月ぐらい)寝かせて醤油カドを取る「生がえし」がありますが、今回は比較的短い時間(1~2週間)でできる「本がえし」を紹介します。今から作っておけば、ちょうど年越し蕎麦を作る頃に熟成されて美味しくなります。
「本がえし」の作り方
材料が少なく、素材の味が際立つので醤油は良い物を使うようにしてください。また、砂糖は白砂糖系なら上品な味、ザラメ、三温糖は少しアクがあるので個性が出る味になります。お好みで選んでみてください。みりんも本味醂を使用しましょう。
【材料】
・醤油:1000cc(できれば特選醤油、丸大豆醤油など上質の物)
・本味醂:200cc
・砂糖:150g(中辛口。甘口なら200g)
【作り方】
1./鍋に本味醂を入れ加熱し沸騰させ、アルコール分を飛ばす(煮切る)。
2./アルコール分がとんだら砂糖を入れ、よく溶かす。
3./砂糖が溶けたら、静かに醤油を注ぎ入れて弱火で加熱する。鍋の縁から細かい泡が立ってきたら火を止める(85℃ぐらい)。沸騰は厳禁。アクが出るので静かにすくう。
4./鍋に布巾をかけ、かえしを空気に触れさせる。一昼夜このままにする。
5./一昼夜経ったら密閉容器に入れて冷蔵保存するか、色の濃いガラスや陶器の瓶に入れて冷暗所で保存し、1~2週間置く。すると醤油カドが取れて味に深みとコクが出る。冷蔵なら半年~1年を目安に使い切る。
※ざる蕎麦のつけ汁は、かえし1:出汁4、かけそばなら、かえし1:出汁6~8の割合で作ると良い。
かえしに鰹節やだし昆布を入れておけば、少し甘めの刺身醤油にもなります。また丼物のたれなどにも使えるので、たくさん作ってストックしておきましょう。市販の「つゆの素」よりワンランク上の美味しい「かえし」を味わってみてください。