「夜遅め食事のコツ5」と「夜の食べ過ぎリカバリー術3」

カテゴリー:食情報 投稿日:2016.10.10

おつきあいや残業後の外食など、体によくないとわかっていてもなかなか止められないのが夜遅めの食事です。でも、ちょっとした工夫で深更(しんこう)の食事をヘルシーに、そして夜の食べ過ぎの悪影響を減らすことはできます。ミス・ユニバース・ジャパン2016のビューティーキャンプ講師や公式コーチなどを務める、自然食料理教室「エコロクッキングスクール(東京両国)」の責任者で、管理栄養士でもある加藤初美さんに適切な食事法を教わりました。

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加藤初美さん

 

夜食と自律神経、肥満遺伝子の関わりとは

Qなぜ夜遅くの食事は体によくないのでしょうか?

「実は、人は夜食べるようには、できていないのです」

 

Qそれはどういうことでしょうか?

「自律神経は時間によって状態が変わります。日中は交感神経が優位になるため、代謝が盛んになり脂肪がつきにくいのですが、夜は副交感神経が優位になり代謝が下がります。したがって夜遅く食事をすると、代謝が低いため脂肪を蓄積しやすくなります」

 

Q代謝が落ちるほかに影響は?

「BMAL-1(ビーマルワン)という、中性脂肪を増やし脂肪細胞内に溜め込む働きのあるたんぱく質は、夜になると増えます。夜遅く食事をすると、余分なエネルギーが脂肪として蓄積してしまうのです。BMAL-1は、特に夜の10時ごろ多くなります」

 

Q食事でエネルギーが消費される?

「人は食事をすると、食べたものを消化するために、エネルギーを消費します。これを「食事誘発性熱産生(DIT)」といいます。実はこのDIT、朝は高いのですが、夕方から夜にかけては低くなります。夜遅く食事をすると、DITが低いためエネルギーが消費されにくく、肥満につながりやすくなります。なおDITは食材により異なり、たんぱく質が一番高くなるのです」

 

Q夜遅くの食事が肥満につながる背景には、〈自律神経〉〈BMAL-1〉〈食事誘発性熱産生(DIT)〉があるということはわかりました。

「ということは、この3つを活用すれば、ある程度は肥満を防ぐことも可能だということになります」

 

Qバランスよい食事について教えてください。

「食事は単にカロリーだけで考えるのではなく、バランスよく摂る必要があります。日本人が昔から食べてきた納豆や大豆製品などは、たんぱく質が多く、また代謝を助けるビタミンB群を摂ることができるので、オススメです。さらに味噌や鰹節(本枯節)、漬物などの発酵食品は、胃腸によく、代謝がよくなる効果があります」

 

管理栄養士・加藤初美さんがススメる夜遅めの食事のコツ5

1/納豆をプラス

「納豆は消化がよく胃もたれしません。たんぱく質を豊富に含みDITも高くなります。また代謝をよくするビタミンB群も豊富です。コンビニ食や麺類になる場合、納豆をプラスするとよいでしょう」

 

2/食物繊維を多めに

「食物繊維は、腸のぜん動運動を促すだけでなく、血糖値の上がり方をゆるやかにする働きもあります。意識して摂るようにしましょう。食事の前にカロリー低めの寒天ゼリーやこんにゃくゼリーを食べると食事量が抑えられ、翌日のお通じもよくなります。もずく酢やわかめの酢の物、ところてんもよいでしょう」

 

3/穀物は少なめに

「ごはんや麺類など穀物の摂取を控えめにしましょう」

 

4/よく噛む

「よく噛むことはDITを増やし、さらに満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防いでくれます。なるべく野菜など噛みごたえのあるものを選びましょう。例えば、切り干し大根をササッと水洗いしてサラダやスープに加えるなど、乾物を使うと簡単です」

 

5/温かいものを食べる

「気温の下がってくるこれからの季節は、冷たいものだと代謝が落ちてしまいます。なるべく温かいものを選びましょう。味噌汁に少しのごはんと野菜をたっぷり入れた雑炊は、ビタミン類も多く摂れるよいメニューです。卵雑炊や、豆乳雑炊もオススメです」

 

夜の食べ過ぎリカバリー術3

「外食の場合、つきあいもあるので自分で選べないことも多いものですが、そこであきらめてしまわず、リカバリーを考えればいいのです」

 

1/朝食に味噌汁

「よく前日のリセットのため朝食抜きにする人がいますが、これはNG。朝が一番高くなるDITを活用するためにも、軽目の朝食を食べましょう。豆腐などで良質のたんぱく質も摂れる味噌汁がベスト」

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2/野菜を摂る

「野菜や海藻には食物繊維のほか、取り過ぎた塩分を水分と同時に排泄するカリウムが豊富。サラダなどのほか、味噌汁も旬の野菜にわかめなどを組み合わせるとよいでしょう」

 

3/朝晩の穀物は、軽めに

「朝は胃もたれしていることが多いので、ごはんなどの穀物は軽めに。昼食は普通に食べてよいのですが、夕食は軽めにしましょう。食べ過ぎてしまった次の日は、脂質が少なめで野菜が多めになる和食を選びたいものです。エレベータでなく階段を使うなど、日常のなかでの活動量を増やすよう心がけるのも大切です」

 

(株)玄米酵素 エコロクッキングスクール

〒130-0026 東京都墨田区両国3丁目24-10

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この記事を書いた人

編集部
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