残暑の体力回復にうってつけのメニューが「ばくだん」です。 納豆などのネバネバ食材に刺身のぶつ切りを加えればおもてなし料理としても一級品に変身します。作り方のポイントは、食材をよくかき混ぜること。細かい泡が立ってくるまでしっかり混ぜればプロの味に近づきます。
「昔から、ネバネバした食べものは精力が付くといわれてきました。そのため、トロロイモをすって食べる人や生卵を飲む人がいたわけです。トロロイモ(長芋)は山薬(さんやく)といわれるほどのパワーの源、そこに納豆などのネバネバをかき混ぜるわけですからトロトロ、ヌルヌル、ズルズルと『効きますぞ!』」(小泉センセイ)
なぜ、「ばくだん」と呼ぶのか?
なぜ、海鮮と納豆や山芋などネバネバ系の食材を混ぜ合わせたものを「ばくだん」と呼ぶのでしょうか? 昔の爆弾のイメージから海苔でご飯やいくつかの具材をおにぎり状にしたものが似ていた説、おでん種にある油揚げの巾着に具材を詰めたものが最初説、さらには浦安(千葉県)名物説や茨城起源説などありますがどれも推測の域を出ません。
老舗の寿司屋さんによると「東京恵比寿のお寿司屋さんのご主人がネーミングに凝る人で、彼が言葉を編み出したのかもしれません。また、30年以上前から茗荷谷(東京)の寿司屋さんに『ばくだん』というメニューがあったという人もいます。いずれにしても私は、誰いうとはなしに、元気の湧く食材をたっぷり使っているから“爆弾”のようなパワーが出るという意味だと考えています」。
「ばくだん」の作り方
「ばくだん」の良さは、オクラの季節が終わってもナメコや昆布類などネバネバ食材を自分の好みで組み合わせれば自在にできます。湯どうふのたれに加えるような使い方もあります。
【材料】2人分
・オクラ:5~8本
・ひき割り納豆:1パック
・めかぶ:1パック
・長芋:約10cm
・切り干し大根漬物:お好みの分量
【作り方】
1./オクラは塩もみし、熱湯で1~2分程度茹でる。氷水で冷やし、小口切りにする。
2./長芋は皮をむき、すりおろしておく。
3./ボウルに1と2とひきわり納豆、めかぶ、切り干し大根漬物を入れる。
4./ねばりが充分でるよう全体を混ぜ合わせる。
5./味付けは、ひき割り納豆に付いているタレを使い、好みで醤油などを加えたら出来上がり(※隠し味として昆布茶〔顆粒〕を足すとプロの味に近づく)。
さらにマグロのぶつ切りやタコやイカをトッピングすればおもてなし料理になる。