肉じゃが、カレーやシチュー。ポテトサラダにフライドポテトと日々の食卓に重宝するジャガイモ。栽培も比較的容易であることから、家庭菜園や小中学校の授業などでも人気のある野菜です。しかし、調理や食べ方に注意しないと、植物性自然毒による食中毒となることもあります。静岡県では44年ぶりにジャガイモによる食中毒が発生しました。
静岡県藤枝市で今月15日、小学校の校内の畑で栽培して収穫したジャガイモを、理科の授業中にゆでて食べた6年生児童のうち、25人が吐き気や頭痛などの中毒症状を訴えました。県や藤枝市教育委員会によると、ジャガイモに含まれる植物性自然毒「ソラニン類」が原因の食中毒で、全員軽症だったそうです。静岡県内でジャガイモが原因の食中毒が発生したのは、44年ぶりでした。
県や厚生労働省によると、ソラニン類はジャガイモの芽やその根元、光にあたって緑色に変色した部分に多く含まれます。摂取すると、頭痛や嘔吐、腹痛などのほか、意識障害や呼吸困難を起こし、死に至ることもあります。
食中毒を防ぐためには、購入したジャガイモは新鮮なうちに食べるようにし、保存する時は冷暗所に置き、芽の出やすい高温や明るい所に放置しないように心がける必要があります。調理する際には、芽が出てしまった部分は確実に取り除くこと、光に触れて緑がかってしまった部分は皮を厚めにむくことで中毒を避けることができます。ソラニン類は加熱しても分解しないので、最初の段階で確実に取り除くことが重要です。
また、学校や家庭菜園で栽培する場合は、土寄せをしてしっかりと土をかけて育てること、十分に大きくなったものを収穫し、傷つけないように気をつけること、地表近くの浅い場所で育ったものや小さいものは避けることが大切です。
夏もいよいよ本番です。新鮮なジャガイモを使った料理でしっかりと栄養をとって、暑い毎日を乗り切りましょう。