白かびサラミを知っていますか? その名の通り白かびのついたサラミです。薄くスライスして齧(かじ)ると、独特の香りと濃厚な味わいが口に広がってヤミツキになる人が少なくありません。
白かびの発酵パワー!
白かびサラミと聞いて、「サラミにかび!?」ととまどう人もいるかもしれません。でも、発酵食品をつくり出す微生物は大きく分けて3つ。細菌(乳酸菌など)、酵母菌(ビール酵母など)、そしてかび(麹菌など)があります。人類は昔からかびの力を利用してきたのです。ゴルゴンゾーラチーズなどの青かび、カマンベールチーズの白かびなどを考えれば、そのおいしさを知りたくなってはきませんか?
サラミは語源がイタリア語の「Salare(塩)」とも、古代ギリシャの都市「サラミス」ともされていますが、豚肉などのひき肉や細切れを豚の腸につめて、低温で乾燥・発酵させてつくるドライソーセージの1種です。日本ではソーセージといえば燻煙したスモークソーセージや加熱ソーセージが一般的ですが、ヨーロッパではもともと乳酸などの力を使った発酵ソーセージがよくつくられてきました。酵母やかびを表面につけて熟成させるものもあります。
白かびサラミに使われるのはカマンベールチーズに使われるものと同系統のもの。かびが生育するにしたがって、水分が内部から吸出され、肉の脂肪やたんばく質が分解、熟成されます。つまり、適度に乾燥され、味にグッと深みが生まれるのです。また、白かびが活発に活動することでほかの有害な菌の生育や脂肪酸化などによる嫌な臭いの発生を抑える効果もあります。
サラミの表面に白かびが生育している
白かびサラミは、イタリアをはじめフランス、オーストラリア、ハンガリーなどで作られています。近年は、専門店や高級スーパーなどで手に入れやすくなりました。また、日本国内で生産された白かびサラミも登場しています。湿度の高い日本での白かびサラミづくりは難しさもありますが、きめ細やかな管理のもと熟成することで、強い旨みをもったサラミが出来上がるのです。
白かびサラミの食べ方
かびは落とさず、そのままスライスしてOK。サラダやピザのトッピングにもよく合いますが、何といってもおススメはそのまま味わうこと。チーズやワインともよく合います。
【国産の白かびサラミ】
「軽井沢工房 白樺サラミ」
100g 1200円(税込み)
ヨーロッパから輸入した白かびを使用。香辛料とわずかな調味料しか使わず、白かびにより生み出される旨みを生かした味。
信州ハム(http://www.shinshuham.co.jp/)
「粉雪サラミ」
45g 648円(税込み)
きめ細かな白かびがしっかりついているのが特徴。とろりとした舌触りののち、口のなかにまろやかな味わいが広がります。
唐津くん煙工房(http://furusato-ippin.co.jp/top/)
「ふじの白雪サラミ」
約40g 1296円(税込み.)
素材そのものの力を生かすことをモットーとする工房のサラミ。独特の香りと凝縮された肉のうま味を味わえます。
渡辺ハム工房(http://nikuajicom/index.html)
(トップ写真提供/唐津くん煙工房、中央写真提供/信州ハム)