禅が教える「お粥」の10の効能とは?

カテゴリー:食情報 投稿日:2016.01.23

1年中でもっとも寒さが厳しいといわれる今の時期、風邪には要注意です。一方、すでに引いてしまったなら、養生あるのみ。症状によって治し方はいろいろですが、基本は、体を温め、ゆっくり休み、しっかり栄養を摂る。

そして、風邪のときの「栄養」といったら、「お粥」です。

 

お粥は、じつは美容食?

お粥は、胃腸に負担をかけずに、水分と栄養分を体に届けてくれる優れもの。体を温める効果もあるため、血液やリンパ液の流れがよくなり、免疫力アップにつながります。

まさに風邪で弱った体に効果抜群の食事なのです。

こうした「お粥」の持つパワーは、なんと曹洞宗の開祖、道元禅師も注目していました。食事を頂く際の雲水(修行僧)の心構えを記したその著書『赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)』には、「粥有十利」(しゅうゆうじり)として、お粥の効能が10挙げられています。

どんな効能なのかというと……、 

 

<粥有十利>

1.色 (肌の色艶をよくする) 

2.力 (気力が増す)

3.寿 (寿命が延びる)

4.楽 (食べ過ぎになることがなく、体が楽になる)

5.詞清辯 (血流がよくなり頭が冴え、言葉もなめらかになる)

6.宿食除 (胸やけをしない)

7.風除 (風邪を引かない)

8.飢消 (飢えを満たす)

9.渇消 (喉の渇きを潤す)

10.大小便調適 (便通がよくなる)

 

お粥は、お腹を満たし、体の活力を取り戻してくれるだけでなく、美肌やダイエット、脳の活性化、便秘解消などの効果もあるというわけです。風邪のときに限らず、美容やアンチエイジングの食べ物として、常食したいところですね。

ちなみに、道元禅師が開いた永平寺(福井県)では、365日、朝食はお粥なのだとか。

ただし、お粥の消化がいくらいいといっても、そのままかきこむのは避けたいところ。胃腸に負担をかけてしまいます。風邪で弱っているときはなおさらです。ゆっくり嚙んで胃腸に届けてあげましょう。

 

永平寺流・お粥レシピ

【材料】

・玄米:0.5合(約75g)

・水:1000cc

・塩:ひとつまみ

 

【作り方】

1./さっと研いだ玄米を鍋に入れて、分量の水に一晩つける。

2./1に塩を加え、強火にかける

3./沸騰したら、軽くかきまぜ、蓋を少しずらして、弱火で50分炊く。

4./仕上げに、5分ほど蒸らす。

 

[参考:「お坊さんにまなぶ こころが調う食の作法」(星覚、ディスカヴァー・トゥエンティワン)]

 

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編集部
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